地理B

総評と分析

即答できる問題もあり、図表、統計資料の分析等は一見難しそうでも、推論すれば正解に至ることのできる問題が中心である。


地理の全分野、また世界の諸地域について満遍なく学習することが求められている。3年連続で地誌問題が2大問出題された。そのうちの1大問は昨年までの2か国比較地誌から3か国比較地誌になった。

問題分析

大問数 大問数は6で、昨年と変更はない。
設問数 設問数は35で、昨年と変更はない。
解答数 解答数は35で、昨年と変更はない。

問題量

  • 昨年と同じく、選択肢文等の字数は多い。図、表、写真、選択肢表などを除いた、設問文、選択肢文の字数は1万字程度で、昨年よりやや少ないものの、問題文を迅速に読み、判断することが求められる。

出題分野・出題内容

  • 出題分野は昨年と同様で、世界の自然環境、資源、産業、都市・村落、地誌、地域調査の6分野である。第5問は昨年の2か国から3か国を比較した地誌となった。
  • 出題内容は、第1問は「世界の自然環境と自然災害」、第2問は「資源と産業」で、それぞれ昨年と同一テーマであり、小問数は各6つである。第3問は「生活文化と都市」で、昨年の「都市・村落と生活文化」から村落分野を除いた出題であり、小問数は昨年より1つ増えて6となった。第4問は「西アジアとその周辺地域」で昨年の「中国」から広域地誌となった。第5問は「ノルウェー、スウェーデン、フィンランドの3か国の比較」で、第4問の小問数が6、第5問の小問数が5は昨年と同じである。第6問は「岐阜県高山市の地域調査」で、設問数は昨年の7から1つ減って6である。

出題形式

  • 文の4択正誤判定問題は5問で、昨年の6問から1つ減った。文の下線部の4択正誤判定問題は6問で、昨年の6問から2つ減った。6択の組合せ問題は12問で、昨年の8問から大きく増えた。表の4択問題は昨年の1問から2問に増え、図の4択問題は4問で昨年と同数である。記号の4択問題は1問で、昨年の2問から1問減った。2項目の4択組合せ問題は5問で、昨年の6問から1問減った。

難易度(全体)

  • 例年通り、図表を使用した問題が多く、判断に時間がかかる問題が所々に見られる。ただし、即時に解答できる問題が昨年度よりも増え、全体としての難易度は昨年よりやや易化した。

第1問 (17点満点)

配点 出題内容 難易度
17 世界の自然環境と自然災害 やや易

世界の自然環境と自然災害に関する大問。問1の4地域の特徴的な地形に関する問題は、Bが古期造山帯に属するドラケンスバーグ山脈を含む地域であることを知っていれば即答できる。問2の3つの湖の形成要因を問う組合せ問題は、表1中の主な成因に「氷食谷」や「地溝帯」と記されているので、すぐに解答を導き出せる。問3の土壌の問題は、ウクライナからロシア西部に分布することから、(4)が正解とわかるはずである。問4の植生の分布図に関する正誤問題は、(1)の「冬季」の箇所が誤りであると、すぐに気づきたい。問5のサヘルについての正誤問題は、(4)が明らかな誤りである。問6のエルニーニョ現象に関しての問題は、エルニーニョ現象の特徴を押さえていることを前提に図をみれば正解できたと思われる。

第2問 (17点満点)

配点 出題内容 難易度
17 資源と産業

資源と産業に関する大問。問1は、ボーキサイトの生産量以外は見慣れない統計であるが、国際特許出願件数は欧米、日本が多いことは自明であり、解答を導き出すのに特に難はない。問2は半導体生産についての定番問題であり、ここでは失点できない。問3の世界4地域の産業に関しての問題は、4地域の特徴が明確であり、解答するのは容易だったはずである。問4のグラフの読み取り問題は、日本の自動車メーカーがタイなど東南アジアやインドへの進出が進んでいることから、(2)を選択することに迷いはなかったと思われる。問5の農業の変化に関する正誤問題は、常識的に(1)が誤りであることがわかったはずである。問6の図の読み取り問題は、サでは太平洋ベルトの都府県の割合が高いこと、シでは東北の日本海側の県と北海道の割合が高いこと、スで東京都が突出していることを、それぞれ考えれば正解に至れる。

第3問 (17点満点)

配点 出題内容 難易度
17 生活文化と都市 やや易

生活文化と都市に関する大問。問1のヨーロッパ4か国の宗教・宗派別人口割合は、ドイツで宗教改革が起こったことを想起したい。ドイツを即断できなくとも、他の3か国から正解を導き出せる。問2の世界3地域の伝統的な衣服の組合せ問題は常識的な知識を問うたものであり、正解するのは容易である。問3のマレーシアの取り組みに関する問題は基本的問題であり、即答できたはずである。問4の4か国の総人口に占める首位都市の人口割合と都市人口率についての問題は、(1)と(3)で迷ったかもしれないが、インドの総人口が膨大であり、総人口に占める首位都市の人口割合が低い(1)がインド、同じく低い(3)がバングラデシュとなる。問5は、地方都市の駅前商店街が衰退している現況を踏まえれば、正解するのは容易である。問6はサとスの判断がやや難しいが、子育て世代が多く住んでおり、若年層の割合が高いサが大都市の郊外である。

第4問 (17点満点)

配点 出題内容 難易度
17 西アジアとその周辺地域 やや易

西アジアとその周辺地域に関する大問。問1は、エが高峻な山脈地帯に含まれることから即答できる。問2の4地域の農牧業の正誤問題は、(3)のコーヒーの記述が明らかな誤りであり、難なく正解できる(注)。問3の宗教別人口割合に関する問題は、アラブ首長国連邦にはヒンドゥー教を信仰するインド人移民が少なからずいることを想起したい。問4は、カがサウジアラビア、アラブ首長国連邦、イスラエルが高位であること、キがサウジアラビア、アラブ首長国連邦、イラクが高位でイランが中位であること、クはトルコ、イランなどが高位でサウジアラビアが中位であることに注目して解こう。問5は、遺跡が多いトルコは観光立国であることを知っていれば即答できる。問6のサ~スはいずれも著名な事項であり、正解することに特に難はなかったはずである。(注)ただし、問2の(2)もサウジアラビアの2015年以降の小麦生産量が大きく減少していることから、「適当でないもの」となる可能性を否定できない。

第5問 (14点満点)

配点 出題内容 難易度
14 北ヨーロッパ3カ国 標準

北ヨーロッパ3カ国に関する大問。問1は、3都市の最寒月平均気温から判断したい。北大西洋海流から離れるに従い、最寒月平均気温が下がる。問2の発電のエネルギー割合に関しては、ノルウェーでは水力発電が大部分を占めることと、スウェーデンでは原子力発電が占める割合が高いことは標準的な知識であることから、特に難はない。問3は、ノルウェーがヨーロッパ有数の原油の輸出国であること、フィンランドが隣国のロシアとの貿易関係が深いことを念頭において解こう。問4は、チが「バイキング」とあることからノルウェーのアニメ、Bがスウェーデン語と全く異なることからフィンランド語と判断して、正解を導き出したい。問5は、北ヨーロッパ諸国の高福祉制度が高い租税負担率に支えられていることを知っていれば即答できる。

第6問 (18点満点)

配点 出題内容 難易度
18 高山市の地域調査 標準

高山市の地域調査。問1は、高山市が内陸に位置し気温の年較差が大きいことと、富山市が冬季に積雪が多く冬季の日照時間が短いことから、正解を導き出したい。問2の下線部の正誤判定問題は、(3)が誤りであることは常識的に考えれば明らかである。問3の空欄補充問題は、カは文章の流れで「域内」と判断し、キは、文中に「海の魚を食べることが困難な地域」とあり、図1から距離的に近い「松本」と、それぞれ判断したい。問4の地形図読図問題は、図3の苔川沿いに工場の地図記号がないことから、(4)が誤りであることが容易にわかる。問5の文中の下線部の正誤問題は、文中の629万人を3,731万人で割り、図4の日帰り客と宿泊客の数値を比べれば、(2)が誤りであること判断できる。問6は、高木が見られないAが高山帯、針葉樹が見られるCが亜高山帯、広葉樹が見られるBが山地帯である。

大学入試センター試験平均点(過去5年分)

年度 2017年度 2016年度 2015年度 2014年度 2013年度
平均点 62.34点 60.1点 58.59点 69.68点 61.88点
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