政治・経済

総評と分析

近年のセンター試験の出題傾向を維持した、オーソドックスな出題内容。出題形式が昨年度よりもやや簡易になり、解きやすい。


出題内容はほぼ従来どおりで、出題例のまれなナチス政権の出題が目立った程度で、オーソドックスな出題であった。問題量・出題形式などはほぼ昨年度と同じで、該当するものをすべて選ぶ組合せ問題が昨年度に続き4設問あった。ただし、計算問題や8択・9択の組合せ問題がなくなって、解きやすくなったと言える。

問題分析

大問数 大問数4は、昨年度と同じ。
設問数 設問数34は、昨年度と同じ。
解答数 解答数34は、昨年度と同じ。

問題量

  • 解答数などは増減なし。本文中の空欄補充問題がないのも昨年度と同様。設問中の文章の空欄補充問題も減った(昨年度3→今年度2)ため、読むべき文章量が減ったと言える。

出題分野・出題内容

  • 全体の構成は昨年度と同じ。政治分野・経済分野の融合問題である第1・2問と、経済分野の第3問(昨年度は政治分野)、政治分野の第4問(昨年度は経済分野)からなる。
  • 昨年度と同じく、第2問以外は、一部を除き「倫理、政治・経済」との共通問題。
  • 大問の本文のテーマは、第1問が平等、第2問が個人の努力と国の役割、第3問が「宇宙船地球号」、第4問が自由民主主義。
  • 出題内容に大きな変化はないが、センター試験では出題例がまれなナチス政権についての出題があった。また、為替による決済の仕組みの問題は、2012年度本試験以来8年ぶりの出題であった。

出題形式

  • 減少していた記述の正誤判定問題が昨年度の14設問から19設問へ増えた。昨年度に復活した、該当するものをすべて選ぶ組合せ問題が今年度も4設問あったほか、設問中の文章の空欄補充問題、図表問題、その他の組合せ問題も出題されたが、年代順の問題や計算問題の出題はなかった。なお、例年通り大問のうち一つ(第2問)はリード文が会話形式となっている。

難易度(全体)

  • 全体の難易度は昨年度並み。第1・2・3問には正答率の低そうな知識問題なども見られるが、第4問が特に易しいので、平均点は昨年度をやや上回ると予想される。

第1問 (28点満点)

配点 出題内容 難易度
28 平等(支配の正当性、難民、市場、需給曲線など) 標準

問2・6以外は「倫理、政治・経済」との共通問題。高校教科書の多くに太字付きで掲載されている基礎知識だけで正答できる設問が問1(支配の正当性)、問3(アダム・スミス)、問4(寡占市場)と3問あるほか、問6(年齢階級・雇用形態別賃金)は単純な読図問題なので易しい。それに対して、七択で正しい記述の組合せを答える問2(日本国憲法が定める法の制定)と問9(地方公共団体)は、細かな知識(省令、国庫支出金の使途)を要するのでやや難しく感じる。また、問5(消費者契約法など)・問7(最低賃金など)・問10(難民条約など)は、教科書によっては記載がない事項の知識が必要であった。問8(輸入商品の需給曲線)は応用力を要するが、難しくはない。

第2問 (24点満点)

配点 出題内容 難易度
24 個人の努力と国の役割(日本国憲法、外国人、社会保障、GNP等) やや易

第2問は「政治・経済」単独の問題。七択で正しい記述の組合せを答える問4(日本の外国人の状況)は外国人の地方参政権に対する最高裁判決の知識を要するので難しく感じるが、それ以外はほぼ平易と言える。日本国憲法の条文に即した問1(憲法改正手続)は易しい。問2は、最高裁判所の違憲判決を一通り知っていれば簡単。問3(国民負担率の国際比較)も教科書・資料集でよく見かける図なので易しい。問5(租税の原則)は基礎知識なしでも正答できる。問6(GNP)はほとんど計算を要しないので易しい。問7(景気循環の類型)と問8(住民投票制度)も一通りの基礎知識があれば簡単。

第3問 (24点満点)

配点 出題内容 難易度
24 宇宙船地球号(公共財、発展途上国、外国為替、資金調達など) 標準

問4・6・7以外は「倫理、政治・経済」との共通問題。問1(非排除性)は「フリー・ライダー」という言葉を知っていれば簡単。問2(発展途上国)は、特恵関税を含むプレビッシュ報告の知識を要する標準的な問題。問3(外国為替の仕組み)は、2012年度本試験「政治・経済」にほぼ同じ問題が出題されており、過去問演習の重要性が分かる。問4(WTO)は易しい。問5(日米の企業の資金調達)は他人資本などの概念の理解を問う良問。問6(地球温暖化対策)では固定価格買取制度、問7(農業問題)では食品偽装表示事件、問8(ODA)ではグラント・エレメントなどの知識が必要であった。

第4問 (24点満点)

配点 出題内容 難易度
24 自由民主主義(司法積極主義、選挙制度、大衆民主主義など)

問1・4・6以外は「倫理、政治・経済」との共通問題。問1(法の支配とフランス人権宣言)は、Bがワイマール憲法の内容だという知識が必要であった。問6では、センター試験での出題がまれなナチス政権が出題された。それ以外は平易な問題。問8(国民の自由や権利)には、不要選択肢に「フェイクニュース」が取り上げられた。

大学入試センター試験平均点(過去5年分)

年度 2019年度 2018年度 2017年度 2016年度 2015年度
平均点 56.24点 56.39点 63.01点 59.97点 54.79点
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