数学I・数学A

総評と分析

議論を丁寧に追う必要があり、共通テストを意識した出題に見えた。


第1問〔1〕では、2次関数と融合した形で出題された。第1問〔2〕は、整数分野の経験があると有利である。第2問〔2〕(1)では、記述が正しいかを調べるのに骨が折れる。解答すべき数は多くないが、個々の議論を確かめるのに手間がかかり、来年度からの共通テストを意識したと思われる内容であった。

問題分析

大問数 大問数は5で昨年と同じ。
設問数 設問数は20で昨年より2増。
解答数 解答数は87で昨年より27減。

問題量

  • 分量そのものはあまり多くはないが、考える時間がかなり必要である。

出題分野・出題内容

  • 第1問〔1〕は数と式からの出題であったが、2次関数と融合した形の出題である。
  • 第1問〔2〕は集合と命題からの出題であるが、昨年同様、半ば整数分野の出題である。
  • 第1問〔3〕は2次関数の問題であるが、昨年に引き続きグラフの平行移動が出題された。また、グラフと線分が共有点をもつかという、センター試験では見慣れない設問もあった。
  • 第2問〔1〕は三角比の問題であるが、余弦定理と正弦定理を駆使しなければならない。
  • 第2問〔2〕はデータの分析からの出題だが、計算は一切なく、データの読解と定義の理解が問われた。(1)では、極端な状況を考えて解答したい。
  • 第3問は確率の問題である。選択問題で〔1〕〔2〕と分かれた形なのは珍しい。〔1〕は共通テストを意識したような設問である。〔2〕は、除外すべき場合を考えなければならない。なお、〔1〕〔2〕ともコインの表裏の出る事象が同様に確からしいとは書かれていないが、同様に確からしいとして解答してよいだろう。
  • 第4問は整数の性質の問題である。不定方程式ではなく、約数・倍数の性質がメインの出題であった。これも除外する場合を考慮しなければならない。
  • 第5問は図形の性質の問題である。チェバの定理・メネラウスの定理・方べきの定理・円に内接する四角形の性質などが問われた。

出題形式

  • 答を選択肢から選ぶ問題が第1問で3、第2問で5、第3問で2、第5問で1であったが、それ以外は数値を求めさせる問題である。

難易度(全体)

  • 近年には見られない出題形式が複数あり、これらは注意深く考えなければならないという理由などから、昨年度よりやや難化した。

第1問 (30点満点)

配点 出題内容 難易度
〔1〕 10 数と式 標準
〔2〕 10 集合と命題 標準
〔3〕 10 2次関数 やや難

〔1〕は直線の方程式から不等式に結びつける問題である。注意して計算を進めることになるが、分母にaが含まれている形を処理するため、戸惑った受験生もいるだろう。 〔2〕は倍数をテーマとした集合や反例の問題である。集合に関する記号を正しく把握しているかを問うものも出題された。また、必要条件・十分条件についての問いは出題されなかった。 〔3〕は2次関数の平行移動が主なテーマとして出題された。また、放物線が線分と共有点をもつ条件を求めるという問いも出題された。これは数式で処理するか図形的に考えるか複数の方法がある。珍しい出題であり、難しいだろう。

第2問 (30点満点)

配点 出題内容 難易度
〔1〕 15 図形と計量 標準
〔2〕 15 データの分析 標準

〔1〕は正弦定理、余弦定理といった公式を利用すれば正しい値を導ける。ただ、途中でAC/ADという辺の長さの比を問う問いがあり、これは数学Aで扱う角の二等分線の性質を利用することもできる。 〔2〕では、最初の問いで99個の観測値からなるデータについて、どのようなものでも成り立つものを選択するという一般的な理解を問うものが出題されたことが目新しい。それ以降の設問では例年通り図表の読み取りがテーマである。また、散布図に補助線が引かれており、それを利用する問いも出題された。これは近年の出題傾向である。

第3問 (20点満点)

配点 出題内容 難易度
20 確率 やや難

まず、選択問題において独立する2つの設問の出題であることが珍しい。前半については、複数の試行について、述べている文章が正しいかどうかを確認していかなければならないため、少し時間を要するだろう。後半では、コインを最大5回投げるときの得点について確率を計算する問題である。途中で得点が0点になったら試行をやめるというルールがあるため、公式に当てはめるだけでよいというわけではない。そういう意味でも完答は難しいだろう。

第4問 (20点満点)

配点 出題内容 難易度
20 整数の性質 標準

近年の出題テーマとは異なり、循環小数とそれに結びつく約数・倍数が主なテーマとして出題された。誘導がやや丁寧であるため、それに従って解いていけばよい。ただし、最後の問いではaとbが異なる整数であるという条件があるため、注意深く考えなければならない。

第5問 (20点満点)

配点 出題内容 難易度
20 図形の性質 標準

基本的にメネラウスの定理や方べきの定理を利用することで正しい値を導ける。しかし、最後の問いは円に内接する四角形についての本格的なものであるから、応用力がないと完答は難しいだろう。

大学入試センター試験平均点(過去5年分)

年度 2019年度 2018年度 2017年度 2016年度 2015年度
平均点 59.68点 61.91点 61.12点 55.27点 61.27点
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