数学II・数学B

総評と分析

例年通り、計算力を重視する出題が多くみられた。


第1問、第3問では他分野との融合問題が見られた。第3問では複雑な漸化式、第4問では空間ベクトルと、昨年度と似た題材の問題が出題された。

問題分析

大問数 大問数は5で昨年と同じ。
設問数 設問数は19で昨年より2増。
解答数 解答数は140で昨年より5増。

問題量

  • 昨年度と計算量はさほど変わらない。

出題分野・出題内容

  • 第1問〔1〕は三角関数からの出題で、前半は三角不等式を解く問題、後半は2次方程式との融合問題である。加法定理や合成、解と係数の関係といった基本知識の理解が求められる。
  • 第1問の〔2〕は指数・対数関数からの出題で、前半は指数法則を用いた計算問題、後半は対数不等式の問題であり、不等式の表す領域を用いて考察できるかがポイントである。
  • 第2問は微分法と積分法からの出題である。2つの放物線の共通接線、およびこれらの図形で囲まれた部分の面積を求める典型問題であった為、取り組みやすかったと思われる。
  • 第3問は数列からの出題である。複雑な漸化式に戸惑った受験生も多かっただろう。(4)はセンター試験ではあまり見かけないタイプの問題で、整数の知識が必要になる。
  • 第4問は空間ベクトルからの出題である。昨年度に引き続き、四角形の面積や四面体の体積を求める問題であった。後半は図形的な考察が必要である。
  • 第5問は確率分布と統計的な推測からの出題である。昨年度と比べると計算量が増えたが、問われている内容自体はオーソドックスな為、日頃の演習量がものをいうだろう。

出題形式

  • 答を選択肢から選ぶ問題が第1問で1個、第4問で1個であり、去年より大幅に減少したが、それ以外は数値を求めさせる問題である。

難易度(全体)

  • 昨年よりは微かに難しめ。前半の数学Ⅱの部分は取り組みやすい。それと比較して、後半の数学Bの部分は若干手間がかかる。ベクトルの後半はやや難しめといえるだろう。

第1問 (30点満点)

配点 出題内容 難易度
〔1〕 15 三角関数 やや易
〔2〕 15 指数・対数関数 標準

昨年と〔1〕〔2〕で分野の順番は同じであった。〔1〕は三角関数の不等式の解、2次方程式の解に関する問題である。(1)は不等式を解く非常に基本的な問題。(2)ではkの値を求めるのに意外に手こずった者がいたかもしれないが易しめの問題。2乗して1を引くと良い。選択肢を選ぶ問題では、図を描くと間違いにくい。〔2〕は指数・対数関数の問題で(2)は整数が登場するところがやや珍しい。(1)はかなり基本的だが、最後の空欄では、因数分解に気づくかがポイント。領域が登場する点がやや特徴的である。最後の空欄では、何が整数になるのか勘違いをしないよう注意しよう。意外に戸惑ったかもしれない。

第2問 (30点満点)

配点 出題内容 難易度
30 微分・積分 標準

今年も特に図形的な考察は要求されない。2つの放物線と共通接線によって囲まれた面積というおなじみの題材である。(1)は共通接線を求める設問。接線を求める際に2つの式を比較する手法も、手慣れている受験生が多いだろう。(2)も基本的である。積分計算もかなり楽である。(3)では場合分けを行うが、特に手の止まる要素はない。(4)最大値も微分を行えば、因数分解は簡単である。

第3問 (20点満点)

配点 出題内容 難易度
20 数列 やや難

一時期、毎年のように出題された「複雑な漸化式」の問題が昨年に引き続き出題された。誘導は丁寧であり、それに従っていけば一般項までは求まる。(2)(3)で数列の一般項を求める問題は若干面倒である。部分分数分解や等比数列の和を用いるだけなのだが焦ると計算ミスを誘発しやすい問題である。設問では初項に関する記述があるが、第2項目でも検算すると良い。(4)では実際には、数列の各項の値を考えて、解答した者が多かっただろう。整数問題的要素が見られるあたりが特徴的である。

第4問 (20点満点)

配点 出題内容 難易度
20 空間ベクトル やや難

昨年、空間ベクトルが復活したが、本年度も引き続き空間ベクトルであった。誘導は丁寧だが、昨年よりは計算が大変であり、取り組みにくい印象である。空間図形の問題であるので、後半で苦しんだ受験生が意外に多かっただろう。(1)~(2)までは基本的事項の確認。(3)も難しくないのだが、正方形や長方形になるわけではなく戸惑うかもしれない。(4)は後半で(4)の前半をどののように活用するかがポイントである。全体的に、センター試験の空間ベクトルとしては比較的難易度は高めであると思われる。

第5問 (20点満点)

配点 出題内容 難易度
20 確率分布と統計的な推測 標準

市立図書館の利用状況を題材とする問題であった。(1)は確率の平均(期待値)と標準偏差を定義に基づいて計算する問題であった。(2)は、前半は二項分布の正規分布による近似、後半は母比率が変化したときの平均、標準偏差の変化を考察する問題であり、二項分布に対する多面的な理解が問われた。(3)は母平均を信頼度95%で求める問題であり、過去何度も出題された形式であるが、mではなく、tの信頼区間を求めるため、少し戸惑った受験生もいたかもしれない。全体的に去年よりは計算力が求められたが、計算する内容自体は基本的なものばかりであったため、日頃の演習量が点数に直結しただろう。

大学入試センター試験平均点(過去5年分)

年度 2019年度 2018年度 2017年度 2016年度 2015年度
平均点 53.21点 51.07点 52.07点 47.92点 39.31点
ADOBE READER ダウンロード

PDFファイルをご覧いただくには、アドビシステムズ社が配布しているAdobe Reader(無償)が必要です。
Adobe Readerをインストールすることにより、PDFファイルの閲覧・印刷などが可能になります。