地学

総評と分析

図表を読み取る問題が大幅に増加した。細かい知識を問う問題も出題された。


例年通り知識に加え考察・読図・計算を含む多彩な問題が出題された。知識がなくとも解ける問題がある一方で、細かい知識が必要な問題や読図や思考力を問う問題が目立った。

問題分析

大問数 大問数は6で第5問と第6問は選択。昨年と変化無し。
設問数 設問数は30で昨年と変化無し。
解答数 解答数は30で昨年と変化無し。

問題量

  • 時間に対して適量と思われる。
  • 昨年より下書き用紙を除くと1ページ増加した。

出題分野・出題内容

  • 必答問題は例年通りほぼ全分野から出題された。
  • 選択問題は地球史と火成岩、宇宙から出題された。
  • 図を読み取る問題が中心の出題である。
  • 計算量は多くないが、計算問題も4題出題された。

出題形式

  • 5択形式の問題が3題、6択形式の問題が2題、8択形式の問題が2題となり、4択より多い問題が7題あった。
  • 必答問題で、複数の答えを組み合わせて解答する問題は11題から7題に減少した。

難易度(全体)

  • やや難化。図表を読み取る問題が大幅に増加し、基本的な知識問題や知識がなくても考察のみで解ける問題もあったものの、細かい知識を問う問題や、思考力を問う問題、紛らわしい選択肢も増加した。また、第2問の変成作用の温度・圧力条件を問う問題とルートマップの読図問題の難易度が高かった。

第1問 (27点満点)

配点 出題内容 難易度
A 10 地磁気と重力、プレート運動と火山 標準
B 17 プレート運動、マグマの発生 標準

Aの問1、Bの問4・問8は知識が問われた。問2は鉛直成分のグラフから全磁力の減少の割合を読み取る計算問題である。計算量は多くない。問3はマグマから受ける重力の変化を考えるが、観測点より上にある質量は負の重力異常をもたらすことに注意する。Bの問5は経度差から求めた距離を経過年数で割ることでプレートの移動速度を概算する。これも計算量は多くない。問6は逆断層型地震の押し引き分布と地震波の屈折を問うた問題である。問7は火山フロントの位置と沈み込みの深さが問われている。教科書などの図表は数字まで見ておきたい。

第2問 (17点満点)

配点 出題内容 難易度
A 7 変成作用と変成岩 標準
B 10 地質図

Aの問1は多形に関する知識、問2は花こう岩と変成岩の分布から変成作用の温度・圧力条件を推測する問題で、花こう岩からの距離が近いほど高温で変成を受けたことに注意すればよい。Bの問3はルートマップに描かれている異なる標高での地層の分布から地層の上下関係を考える。問4はルートマップから地質図を作成して礫岩について問われていることが分かれば解答できる。問5は鍵層に関する基礎知識問題である。

第3問 (27点満点)

配点 出題内容 難易度
A 10 気温減率、大気に働く力、台風の性質 やや易
B 7 赤外画像と可視画像、高層天気図 標準
C 10 波の速さ、環流、海洋深部の水温・塩分の分布 標準

Aの問1は相対湿度が低いと凝結高度が高くなることに注意する。問2は南半球の図である。問題文を読み落とさないようにしたい。問3は台風、Bの問4は気象衛星による画像の基礎知識問題である。問5は高層天気図から気圧の谷が5日程度の周期で通過するように並べるとよい。Cの問6は計算は易しいが各選択肢はやや細かい知識である。問7は海流の速さを問うた知識問題である。問8は北太平洋では低温で高塩分の海水の沈み込みが起きていないことから考える。

第4問 (17点満点)

配点 出題内容 難易度
17 恒星と星団 標準

リード文が会話文になっており、HR図の読図も問われている。問1は恒星の色と質量、進化に関する空欄補充問題、問2は太陽近傍の距離の推定法を選ぶ問題で、ともに基礎知識問題である。問3は2つのHR図での太陽の進化経路を問う問題で、縦軸がともに絶対等級なので、通常のHR図が上下に分かれただけと考えれば難しくない。問4は2つのHR図から読み取れることがらの正誤の組合せ問題で、図と文章を読み取っての考察力が問われる。問5はシュテファン・ボルツマンの法則を用いた基本的な計算問題である。

第5問 (12点満点)

配点 出題内容 難易度
6 テチス海 やや易
6 火成岩の化学組成 やや易

Aの問1はテチス海で堆積した地層の現在の分布を問う問題で、テチス海がインド大陸とユーラシア大陸の間にあったことを知っていればヒマラヤ山脈を正答できる。問2はテチス海の存在した時代のできごとを問う問題で、正確な時代を覚えていなくとも消去法で正答できる。Bの問3・問4は火成岩に含まれる酸化物の含有量と岩石名に関する問題で、基本的な知識問題である。

第6問 (12点満点)

配点 出題内容 難易度
6 地球の運動、太陽系の惑星の物理量 やや易
6 シャプレーとハッブルの発見、膨張宇宙 やや難

Aの問1は地球の自転軸の傾きがなくなったときに起こる現象を問うた問題で、黄道と天の赤道の定義を知っていれば正答できる。問2は太陽系の惑星をプロットしたグラフの横軸と縦軸を問う問題で、地球の平均密度が太陽系の惑星で最大であることは覚えておこう。Bの問3はシャプレーとハッブルの発見について述べた文の正誤組合せで、シャプレーの発見についてが難しい。問4は膨張宇宙に関する基本的な知識問題である。

大学入試センター試験平均点(過去5年分)

年度 2019年度 2018年度 2017年度 2016年度 2015年度
平均点 46.34点 48.58点 53.77点 38.64点 40.91点
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