政治・経済

総評と分析

※前年との比較は、2021年度大学入学共通テスト(1/16・17実施)との比較です。
設問のほとんどが文章や図表の資料読解問題で構成。各国通貨の購買力についての「ビッグマック指数」の設問など、特に経済分野で意欲的な出題が目立った。


出題形式は前年とほぼ同様だが、前年にあった裁判の判例集など専門的な資料の出題は減った。かわりに経済分野で図表問題が増え、その読解に時間がかかったと思われる。高校教科書には掲載されにくいであろう資料や「ビッグマック指数」の出題など、経済分野の意欲的な出題は手応え十分であった。

問題分析

大問数 4で前年と同じ。
設問数 30で前年と同じ。
解答数 30で前年から1減。

問題量

  • 設問数は前年と同等。図表などの資料は、前年より分量が多い。

出題分野・出題内容

  • 「倫理、政治・経済」と共通(「政治・経済」から抜粋)の第1問(政治)・第2問(経済)・第4問(政治経済融合)のほか、独自の第3問が経済分野のため、経済分野の比重が大きい。
  • 第3問以外は、一部を除き「倫理、政治・経済」との共通問題。
  • 大問のテーマは、第1問が国の法制度や地方自治、第2問が経済分野の総合問題、第3問が国際政治経済の総合問題、第4問が地方自治。

出題形式

  • 正文または誤文を選ぶだけの単純な正誤判定問題は前年の6設問から半減。
  • 該当するものをすべて選ぶ組合せ問題が4設問あった。設問中の文章の空欄補充問題、図表問題、その他の組合せ問題も出題されたほか、センター試験で頻出した年代順の問題が1設問あった。

難易度(全体)

  • 政治分野では、前年にあった判決文や専門家の文章が出題されず、前年比で易化した。それに対して経済分野では、新傾向の設問が目立ち、一部に受験生にとって難しい設問もあった。以上から、全体の難易度は前年比でやや易化した(※前年は得点調整が行われたため、問題自体の難易を比較)。

第1問 (26点満点)

配点 出題内容 難易度
26 国の法制度や地方自治(政教分離訴訟、農業の法制度、民泊など) やや易

問1・4以外は「倫理、政治・経済」との共通問題。問1(モンテスキュー『法の精神』)は2018年試行調査のルソー『社会契約論』と同趣向の古典からの抜粋だが、易しい。空欄補充組合せの問2(団体自治と住民自治)・4(空家法)・5(農業の法制度)・6(民泊の規制)・7(民泊の関連法)はいずれも、選択肢と照合すれば難しくない。問3(政教分離訴訟)も難しくないが資料集の学習が必要。問8(日本の立法過程)は衆議院の優越の正確な知識が必要で間違いやすい。

第2問 (26点満点)

配点 出題内容 難易度
26 経済主体と関係図 標準

問2・6以外は「倫理、政治・経済」との共通問題。問1は自宅での食事・ゲーム・ネットショッピング等を増やす「巣ごもり需要」がポイントになる時事問題。問2(環境問題の関係図)は会話文との照合を最後まで行わないと分かりにくい。空欄補充組合せの問3(機会費用)・4(日銀の公開市場操作)はいずれも、選択肢と照合すれば難しくない。問5は前年に続くバランスシートの出題だが、易しい。問6は現行の労働基準法で有期労働契約の期間上限が原則3年と規定されているという細かな知識が無いと迷う。問7は需要供給曲線の設問としては新傾向。問8はいわゆるビッグマック指数を初めて取り上げた設問ではないか。

第3問 (26点満点)

配点 出題内容 難易度
26 政治・経済・国際分野の総合問題 標準

唯一の「政治・経済」独自問題。問1(フローとストック)は図表の読解を要する応用問題。問2(労働力人口などの分類)も応用問題で、解くのに時間がかかる。空欄補充組合せの問3(インフレ)・4(国会の予算審議など)・問8(自由貿易体制)はいずれも、選択肢と照合すれば難しくない。問5(消費税の逆進性)は計算不要だが、表の意味の把握にやや時間がかかる。問6(国際機関)は素直に考えれば易しい。問7(タイの通貨危機)はあまり深く学習しない内容なので難しい。

第4問 (22点満点)

配点 出題内容 難易度
22 地方自治 標準

問3・4以外は「倫理、政治・経済」との共通問題。問1(地方自治の出来事)はセンター試験でよく見られた古い順の3番目を答える設問。空欄補充組合せの問2(国と地方の関係)・問3(統一地方選挙)・6(民間企業の取組み)はいずれも、選択肢と照合すれば難しくない。問4(社会保障と子育て支援)は難しくないが、解くのに時間がかかる。

平均点(過去5年分)

年度 2021年度 2020年度 2019年度 2018年度 2017年度
平均点 57.03点 53.75点 56.24点 56.39点 63.01点
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