物理基礎

総評と分析

※前年との比較は、2021年度大学入学共通テスト(1/16・17実施)との比較です。全体の出題形式は昨年と変わらず。昨年同様、会話文形式による問題、数値を直接マークする問題など共通テストらしい問題が見られた。昨年に比べ設問数、解答数は減少した。


第1問は小問集合、第2問はA、Bに分割されての出題、第3問はA、Bの分割のない出題という形式は昨年と変わらなかった。昨年同様、会話文を交えた問題、数値を直接マークする問題が出題された。解答数、計算量は減少したが、典型的な問題も減少し、定性的な考察をさせる問題が増加した。

問題分析

大問数 3で昨年と変更なし。
設問数 昨年の14から11に減少。
解答数 昨年の19から17に減少。

問題量

  • 数値計算の設問は昨年の7から3に減少。
  • グラフ選択の問題は昨年の1と変わらず。

出題分野・出題内容

  • 第1問は、力学3題、波動1題の小問集合。
  • 第2問は、Aが異なる電熱線の接続による水の温度上昇の実験、Bがドライヤーで消費される電力。
  • 第3問は、材質の異なるスプーンの比熱、浮力、抵抗率の考察。

出題形式

  • 会話文を交えた問題(第3問)、数値を直接マークする問題(第2問B)が出題された。
  • 第1問は小問集合形式。第2問はA、Bに分割され、それぞれ異なる題材からの出題。第3問は力学・熱・電磁気と幅広い分野から出題された。

難易度(全体)

  • 難易度は昨年に比べ難化。個々の設問の物理的内容は平易で解答数・計算量も減少したが、典型的な問題が減少し、昨年はなかった数式を答えさせる設問が今年はあり、思考力・文章読解力を要する設問、定性的に考察をさせる問題が増加した。総じて昨年に比べると取り組みづらい問題構成であった。

第1問 (16点満点)

配点 出題内容 難易度
問1 4 相対速度
問2 4 F-tグラフによる運動の考察 標準
問3 4 鉛直投げ上げ運動のエネルギー やや易
問4 4 縦波 標準

昨年と同様、各分野からの小問集合である。問1は隣り合って平行に敷かれた線路上を互いに逆向きに進む2電車の相対速度とすれ違うのに要する通過時間を問う問題であり、確実に得点したい。問2は糸でつるしたおもりにはたらく糸の張力がF-tグラフで与えられておもりの運動を考察する問題である。区間1と区間3では力がつり合うため慣性の法則が成り立つが、区間2の加速により速度が生じ、区間1と区間3では運動の様子が異なることに注意したい。問3は鉛直投げ上げ運動の上昇中と下降中の運動エネルギーと位置エネルギーを表す適切なグラフを選択する問題であり、確実に得点したい。問4は縦波の変位の様子が点列の図で与えられた問題である。速さの式は次元解析によっても選択肢を絞れた。変位は最も疎、最も密な位置を境に向きが異なることに着目できればよい。

第2問 (16点満点)

配点 出題内容 難易度
A 8 電熱線の接続・消費電力 標準
B 8 ドライヤーの消費電力・消費電力量 標準

A、Bともに電気とエネルギーからの出題である。Aは異なる電熱線を水の入った別々の容器に入れて電源と接続し、温度変化(すなわち消費電力量)の違いから定性的に電流・抵抗値・電圧を考察する。問1では直列接続であるから電流が共通であり、問2では並列接続であるから電圧が共通であることに着目したい。Bはドライヤーの構造が回路の模式図で与えられた。問3はドライヤー全体の消費電力と電熱線・モーターでの消費電力の関係を問う問題である。エネルギーの保存に着目して消費電力の収支を表せればよい。問4は電熱線の2分間の消費電力量を計算する問題である。回路図から電熱線とモーターが交流電源と並列接続であることが読み取れれば計算は容易である。

第3問 (18点満点)

配点 出題内容 難易度
18 比熱、浮力、抵抗率の考察 標準

2つのスプーンが純金製であるか否かを比熱、浮力、抵抗率の観点から比較・考察する会話文形式の問題。大問全体が会話文で展開される出題形式は初めてである。計算量は少なく、定性的な考察力と読解力が要求された。全体を通してスプーンBについて問われているが、どちらのスプーンについて問われているか読み間違えに注意が必要である。問1は加熱した2つのスプーンを水に入れて熱平衡状態に達したときの温度の違いから比熱の違いを考察する問題。比熱が単位質量あたりの物質の温度変化のしにくさを表す量であることに着目すれば計算は不要である。実験条件の変更による測定値の変化に関する考察も問われた。問2は2つのスプーンをひもでつなぎ滑車にかけて、空気中でつるした場合と水中に入れた場合の比較から浮力に着目し、密度の違いを考察する問題。浮力の大きさが水の密度と体積の積に比例することから答えればよい。問3は2つのスプーンからそれぞれ形状の等しい2つの針金を作製し、電流・電圧特性を測定したグラフから抵抗率の違いを考察する問題である。実際にはグラフから抵抗値の計算と抵抗と抵抗率の関係式から抵抗率を文字式で表現できればよい。

平均点(過去5年分)

年度 2021年度 2020年度 2019年度 2018年度 2017年度
平均点 37.55点 33.29点 30.58点 31.32点 29.69点
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