化学基礎
総評と分析
※前年との比較は、2021年度大学入学共通テスト(1/16・17実施)との比較です。
昨年に比べ第2問はより深い考察力を求める高度な問題であった。第1問は一部で考察を要するが、概ね基本的な内容であった。
第1問は基本的な正誤問題が多く、一部長文と組み合わせた問題となっているが、問われている内容は基本的なものであった。一方、第2問はグラフの読み取りだけでなく、得られた情報の活用を求められており、難しい問題であった。
問題分析
大問数 | 2で昨年から変更はない。 |
---|---|
設問数 | 昨年に比べ、3増の13。 |
解答数 | 昨年に比べ、2減の15。 |
問題量
- 昨年に比べ、計算問題の数はやや増加したが、文章量は同程度であった。全体的にみると問題量はほぼ昨年並であった。
出題分野・出題内容
- 第1問は、イオン、原子、同位体、セッケン、酸・塩基、中和滴定、身近な物質、物質量、電池の小問が出題され、第2問は、エタノールを題材とした考察的な総合問題が出題された。
- 第1問は、教科書レベルの基本問題が中心。問3の臭素分子の存在比の選択肢は難しいが、正解となる選択肢が明白なので計算しなくても解ける。
- 第2問は、グラフを考察する問題が何問か含まれているため、やや難しい。
出題形式
- 第2問の問3では比較的長文の問題を読み取り、それに関する問をいくつか配置する大問形式の問題が出題された。また、昨年見られた答の数値自体を解答させる問題は出題されなかった。
難易度(全体)
- 昨年よりも易化。第2問のエタノールを題材とした総合問題は、2つのグラフを考察する必要がありやや難しい。第1問は一部考察的なものも見られるが、概ね基本的で得点しやすかった。
第1問 (30点満点)
配点 | 出題内容 | 難易度 | |
---|---|---|---|
問1 | 3 | オキソニウムイオンの構造 | やや易 |
問2 | 3 | 18族元素の性質 | やや易 |
問3 | 3 | 同位体 | やや易 |
問4 | 3 | セッケン | 標準 |
問5 | 3 | 酸の定義 | やや易 |
問6 | 3 | 酸の電離と中和反応 | やや難 |
問7 | 3 | 中和滴定 | 標準 |
問8 | 3 | 身近な物質 | やや易 |
問9 | 3 | 物質量の計算 | 標準 |
問10 | 3 | 電池のしくみ | 標準 |
問1はオキソニウムイオンの構造に関する基本問題。問2はイオン化エネルギーの大小がわかるかがポイント。問3は臭素分子の存在比は難しいが、求めなくても解ける。問4のセッケンの問題は、化学基礎しか学習していない人にとってはやや難しい。問5は酸の定義の問題で平易。問6は中和に要する水酸化ナトリウムの量を勘違いしやすい。問7の中和滴定の問題はごく標準的。問8の身近な物質の問題は知識があれば平易。問9の物質量の計算は標準的。問10は問題文の式を見れば解ける。
第2問 (20点満点)
配点 | 出題内容 | 難易度 | |
---|---|---|---|
問1 | 4 | エタノールの性質 | やや易 |
問2 | 4 | 温度変化を表すグラフの考察問題 | やや難 |
問3 | 12 | 分別蒸留の考察問題 | やや難 |
エタノールを題材とした総合問題。問1はエタノールの性質に関する知識問題で、エタノールが非電解質であることを知っていれば楽に解ける。問2は加熱による温度変化のグラフを考察する問題で、グラフの傾きが表す意味がわかるかがポイント。問3のaは解くのに必要がない密度に惑わされないことが重要。問3のbは原料Aを100gと仮定して解けばわかりやすい。問3のcは蒸留液1がEに相当することに気づけば解ける。
平均点(過去5年分)
年度 | 2021年度 | 2020年度 | 2019年度 | 2018年度 | 2017年度 |
---|---|---|---|---|---|
平均点 | 24.65点 | 28.2点 | 31.22点 | 30.42点 | 28.59点 |