数学I・数学A

総評と分析

※前年との比較は、2021年度大学入学共通テスト(1/16・17実施)との比較です。
広く予想されていた通り、昨年よりも「共通テスト」らしさが増している。分量が多く、試験時間内に解ききることは厳しい。昨年よりも誘導が減少しており、難しく感じられたであろう。


第1問〔1〕は、昨年同様、センター試験に類似した出題である。第1問〔2〕は、三角比と測量を絡めた出題であるが、縮尺が関係するところが珍しい。選択問題である第3問以降は、どれも誘導が少なめであり、また、出題テーマも2次試験のような内容となっており、意欲的な出題といえるだろう。

問題分析

大問数 5で昨年と同じ。
設問数 27で昨年より4増。
解答数 117で昨年より21増。

問題量

  • 昨年よりも問題文は短くなった。その一方で誘導が減り、計算量も増加したため、処理しなければならないことは増加した。時間内に完答するには処理力と数学的な思考力が高いレベルで要求される。

出題分野・出題内容

  • 第1問〔1〕は昨年同様、数と式からの出題であったが、センター試験と同程度の難易度である。
  • 第1問〔2〕は三角比の問題である。地形の測量がテーマであるが、縮尺が関わるため三角比を正しく理解しているかが問われる。
  • 第1問〔3〕も三角比の問題である。後半に2次関数との融合問題がある。
  • 第2問〔1〕は2次関数の問題であるが、試行調査のようにグラフ表示ソフトを絡めた出題である。
  • 第2問〔2〕はデータの分析からの出題だが、計算は1か所だけで、それ以外はデータの読解について問われている。データを注意深く調べる必要があり、やや煩雑である。
  • 第3問は確率の問題である。後半の設問では前半の設問を活用していく必要がある。
  • 第4問は整数の性質の問題である。テーマ自体は不定方程式の整数解という、センター試験でもよく出題されたものであるが、数値が大きく、計算が煩雑である。
  • 第5問は図形の性質の問題である。昨年同様、誘導が少なく、図形の種々の性質を適切に用いることができるかが試される。

出題形式

  • 答えを選択肢から選ぶ問題が第1問で1、第2問で11、第5問で4であったが、それ以外は数値を求めさせる問題である。

難易度(全体)

  • 昨年の第1日程と比べ、難しくなった。思考力、読解力、計算力が問われており、共通テストらしい出題である。

第1問 (30点満点)

配点 出題内容 難易度
〔1〕 10 数と式 標準
〔2〕 6 図形と計量 標準
〔3〕 14 図形と計量 標準

〔1〕は文字式の展開や対称式がテーマである。誘導が丁寧であるためスムーズに解いていきたい。〔2〕はキャンプ場から山頂を見たときの仰角という日常生活への関連問題である。縮尺の利用と三角比の表の読み取りが特徴的である。〔3〕は、(1)は単に公式の利用である。しかし、(2)は誘導がないため難しい。また、2次関数の最大値が問われている。

第2問 (30点満点)

配点 出題内容 難易度
〔1〕 15 2次関数 やや難
〔2〕 15 データの分析 標準

〔1〕は2次方程式の解の個数、2次関数のグラフの変化、そして必要条件・十分条件に関する応用問題が出題された。2次方程式の解の個数は誘導があり、2次関数のグラフの変化は頂点に着目すればよいため、これら二つは今までの類題経験があれば、さほど難しくはない。しかし、最後の必要条件・十分条件に関しては難問である。〔2〕は図表の読み取りと計算という近年とさほど変わらない内容である。全体的に落ち着いて処理しなければならない。

第3問 (20点満点)

配点 出題内容 難易度
20 確率 標準

完全順列に関する確率の出題である。類題経験があれば、さほど難しくない。経験がなくても誘導に従って解いていけばよいが、やや時間はかかる。

第4問 (20点満点)

配点 出題内容 難易度
20 整数の性質 やや難

1次不定方程式の整数解が出題された。しかし、係数の桁数が大きいため、おなじみの内容とは言いがたい。また、誘導が与えられているものの、どのように利用すべきか判断するのは容易ではないため、全体的に取り組みづらいだろう。

第5問 (20点満点)

配点 出題内容 難易度
20 図形の性質 標準

重心の性質や、メネラウスの定理、方べきの定理を利用する。ただ、辺の長さが与えられていない部分もあり、この部分は一般的な考察をしなければならないため、やや戸惑うだろう。

平均点(過去5年分)

年度 2021年度 2020年度 2019年度 2018年度 2017年度
平均点 57.68点 51.88点 59.68点 61.91点 61.12点
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