数学II・数学B

総評と分析

※前年との比較は、2021年度大学入学共通テスト(1/16・17実施)との比較です。
前年同様、状況を分析し、答えを選択肢から選ぶ問題が多かった。


昨年と同様に、従来のセンター試験と比較して計算量は若干減少したが、第1問〔2〕や第4問のように、問題文をしっかりと読んで丁寧に考察しなければならない問題が多かった。

問題分析

大問数 5で昨年と同じ。
設問数 18で昨年と同じ。
解答数 92で昨年より11減。

問題量

  • 分量は昨年に比べて増加した。第1問、第2問は比較的取り組みやすいが、丁寧な考察が必要な設問もあり、試験時間内にすべての問題に取り組むのは容易ではない。

出題分野・出題内容

  • 第1問〔1〕は図形と方程式および三角関数からの出題である。不等式によって表された領域と定点を通る直線が共有点をもつような条件を求める問題である。途中の設問で、円と直線が接するときの傾きを2つの異なる解法で考えさせるという、試行調査で登場した出題形式が見られた。
  • 第1問〔2〕は指数・対数関数からの出題である。対数の大小関係を誘導にしたがって考察していく問題である。
  • 第2問〔1〕は微分法からの出題である。3次関数のグラフと直線の共有点の個数を考えることにより、3次方程式の異なる実数解の個数を考察する問題である。
  • 第2問〔2〕は積分法からの出題である。2つの3次関数のグラフ、および直線によって囲まれた図形の面積に関する問題である。
  • 第3問は確率分布と統計的な推測からの出題である。収穫されたジャガイモのうち、一定の重さ以上のものの個数を確率変数として二項分布や正規分布、確率密度関数についての理解を問う問題である。教科書では発展事項として扱われている連続型確率変数の期待値が登場するが、解答にあたっては定積分の計算をする必要はない。
  • 第4問は数列からの出題である。歩行者と自転車の動きについて、漸化式を立て、それを解くことによって考察していく問題である。
  • 第5問はベクトルからの出題である。今年は平面ベクトルのみの問題である。ベクトルの内積計算や垂直条件などの基本的な事柄がきちんと理解できているかを問われる一方で、点の存在する領域をベクトルの関係式から考察する問題も見られた。 

出題形式

  • 答を選択肢から選ぶ問題が第1問で9個、第2問で9個、第3問で3個、第4問で4個、第5問で4個であり、それ以外は数値を求めさせる問題である。

難易度(全体)

  • 昨年の第1日程と比べ、難しくなった。分量が時間に対して多め。数学Ⅱである第1問、第2問は比較的取り組みやすい。それと比較して、数学Bの第3問~第5問は若干手間がかかる。この傾向はセンター試験時代から変わらない。

第1問 (30点満点)

配点 出題内容 難易度
〔1〕 15 図形と式、三角関数 やや易
〔2〕 15 指数・対数関数 標準

昨年と〔1〕〔2〕で分野の順番は同じであったが、〔1〕では図形と式がメインになっている点が異なる。〔1〕は円と直線が接点を持つ条件を求める設問で取り組みやすい。三角関数による解法では、加法定理を用いるだけである。〔2〕は指数・対数関数の問題で(3)はやや面倒である。(1)(2)はかなり基本的。(3)ではチ、ツは難しくはないが注意深く選択肢を選ぶこと。最後の空欄であるテで混乱した受験生は多かったかもしれない。チ、ツで選んだ選択肢と、p,q,rの値を睨みながら、選択肢を決める必要がある。

第2問 (30点満点)

配点 出題内容 難易度
30 微分・積分 標準

今年も特に図形的な考察は要求されていない。特に難しい設問はない。前半の〔1〕は特に問題ないだろう。(1)は曲線の形状を選択する問題で基本的。(2)も基本的である。qの値を求める部分では、rが重解であることを用いると良い。(3)も特に難しいところはないが、必要十分条件の問題をイメージしてしまい、試験場で焦った受験生がいたと思われる。問われていることは基本的である。後半の〔2〕は3次関数の大小関係を考えるところがまずはポイントである。2つの曲線の式を引き算すれば2次関数となることに注目する。面積を求めるのではなく、面積を求める式を選ぶ設問が続く。S-Tを実際に計算する問題では計算を工夫すると良い。その後は高次方程式を解く。

第3問 (20点満点)

配点 出題内容 難易度
20 確率分布と統計的な推測 標準

収穫されるジャガイモのうち、200g以上であるものの割合に関する問題である。(1)、(2)は二項分布およびその正規近似に関する問題である。毎年出題される典型問題であるため、確実に解答したい。(3)は一般の連続型確率変数に関する問題である。2017年の本試験以来の出題であったため、演習が手薄であった受験生も多かっただろう。途中に連続型確率変数の平均の定義式が与えられているが、計算結果は既に与えられており、他の計算も台形の面積として考えればよいので、結果として積分計算は不要であった。昨年の第1日程で出題された統計に関する実務的問題は出題されず、計算量が増えた。しかし、典型問題をきちんと演習している受験生であれば難なく解ける問題構成であった。

第4問 (20点満点)

配点 出題内容 難易度
20 数列 やや難

昨年に引き続き、漸化式の問題である。文章題という要素が強く、見た目が難しく見えるため、試験場では焦った受験生が多かったはずである。一時期、毎年のように出題された「複雑な漸化式」と比較すると漸化式自体は易しい形なのだが、漸化式を自分で作成しないといけない点が異なる。随分と誘導は丁寧であり、それに従っていけば漸化式は求まる。しかし、落ち着いて問題文を読んでいく必要がある。(1)は計算の負担はそれほどでもない。「見た目ほどには難しくない」ので落ち着いて解きたい。(2)は試験場では混乱する受験生が多かっただろう。ケ、コの式のnに適当に数値を入れて、吟味していこう。

第5問 (20点満点)

配点 出題内容 難易度
20 平面ベクトル 標準

本年度は平面ベクトルから出題された。数列が「見た目ほどには難しくない」のに対して、ベクトルは「見た目よりは難しい」。(1)はかなり基本的である。ここでも選択肢が登場する。(2)は、前半は内積と文字の計算を行うだけで易しい。後半は、位置関係を選択肢から選ぶ問題。易しいのだが、位置関係を選ぶスタイル自体に焦った受験生が意外といたはずである。(3)で(2)の結果を用いる。誘導自体は比較的丁寧であるので、誘導文の意味を考えていけば、最後の空欄も埋まる。全般に計算は楽である。

平均点(過去5年分)

年度 2021年度 2020年度 2019年度 2018年度 2017年度
平均点 59.93点 49.03点 53.21点 51.07点 52.07点
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