生物

総評と分析

※前年との比較は、2021年度大学入学共通テスト(1/16・17実施)との比較です。
すべてが必答問題であった。生物学的に重要なテーマが出題され、読解力や考察力が総合的に試された。


身近な題材や生物学的に重要なテーマが扱われており、分子生物学的な内容を絡めた出題もみられた。実験・観察や資料解析を通じて読解力や考察力・解析力など総合的な理解度を試す内容となっている。

問題分析

大問数 昨年と変化なく6題。
設問数 27問で、昨年より1問増加。
解答数 28問で、昨年より1問増加。

問題量

  • 大問数は昨年同様6題であり、変化はなかった。実質の問題ページ数28ページは、昨年の31ページより減少した。
  • 大問がA・Bの2分割形式の問題が第2問のみであり、昨年より1題減少した。

出題分野・出題内容

  • 多くの大問で、観察材料や特定のテーマを題材として、複数の分野から多くの視点が盛り込まれて出題された。
  • ミクロな視点とマクロな視点を関連させた内容が、複数の大問で扱われていた。
  • 単純な知識問題はほとんど見られず、知識を活用する問題や計算問題、資料解析・実験考察問題が中心であった。

出題形式

  • 第1問は設問数3問、第2問は設問数6問、その他は設問数4または5問であった。解答を組み合わせて答える設問は第1問と第2問のAで2問ずつみられ、第3問と第6問で1問ずつみられた。また、誤っているものを選択する問題は第4問と第5問で1問ずつみられた。

難易度(全体)

  • 昨年度と比べて難化。それ以前のセンター試験とほぼ同程度に戻った。昨年度同様思考力が試される内容だが、選択肢の文章の吟味に時間がかかると思われる。

第1問 (12点満点)

配点 出題内容 難易度
12 ヒトの進化 やや難

第1問で進化の分野からの出題は、新指導要領を意識したのかもしれない。問1はヒトの進化に関する知識問題。問2は基本的な分子系統樹の作成問題。問3は分子時計の計算と、実測値とのずれについて考察する問題。予測値より変異が少ないのは、変異すると生存に不利になるからと考えられる。

第2問 (22点満点)

配点 出題内容 難易度
A 8 植物と病原菌 やや難
B 14 トランスジェニック植物 標準

Aはキク科の植物に対する病原菌感染の実験考察で、会話形式の出題となっている。問1はグラフの概形を選ぶ問題。ヒストグラムから総重量を計算すると時間がかかるが、個体あたりの種子数がAは約18個、Bは約9個であることから、最頻値を各型の平均重量とみなして推測できる。問2は文章読解。同種内だが、型が異なるので種間競争ととらえると理解しやすい。 Bは遺伝子組換えに関する出題。問3は基本知識。問4はプラスミドの取り込みを判別する原理を問われた。問5は転写に関する知識問題。遺伝子はプロモーターが上流にあり、3'→5'の方向へ読んでmRNAを5'→3'の方向へ合成する。問6は遺伝の計算問題。問題文に「1本の染色体の1箇所へ組み込まれた」とある。

第3問 (19点満点)

配点 出題内容 難易度
19 肢芽の形成 やや難

発生における遺伝子発現に関する実験考察で、会話文形式の出題。問1はHox遺伝子に関する知識問題。リード文からある程度絞ることはできるが詳細な知識が必要。問2は実験内容を解釈する問題。Hox遺伝子は体節、側板由来細胞でXまたはYが発現していることに注目する。問3は実験を設定する問題。後方でXを強制発現すると、Yと両方が発現することになるので注意。問4は細胞分裂に関する実験を設定する問題だが、内容は基本知識。問5は実験結果をもとに、新たな内容を解釈する読解問題。

第4問 (12点満点)

配点 出題内容 難易度
12 アリの道しるべフェロモン 標準

アリの行列形成に関する実験考察問題。問1は実験結果の説明を選ぶ問題だが、注意深く選択肢を読まないと誤解する可能性がある。問2は新たな実験結果の解釈をする問題。恒常性で見られる「フィードバック」の用語の意味を正確に理解しておく必要がある。問3はフェロモンに関する知識問題。

第5問 (16点満点)

配点 出題内容 難易度
16 被子植物の組織、連鎖と組換え、光走性と遺伝子 標準

問1は陸上植物の特徴に関する知識問題。問2は減数分裂に関する平易な計算問題。「乗換えが自由に起こった」とあるので、二重交叉も起こると考えられる。問3は遺伝子の機能に関する仮説を検証する実験を設定する問題。どちらもタンパク質が働くことから考える。問4は、走性の変異体に関する文章正誤。

第6問 (19点満点)

配点 出題内容 難易度
19 植物の生殖と植物ホルモン やや難

問1は種子形成に関する知識問題。問2は平易な実験考察だが、複数の図表を組み合わせて解釈する必要がある。問3はここまでの実験結果をもとに、水深を深くするという新たな条件の効果を考察する問題。選択肢の文章をよく読んで実験の内容と照合する必要がある。問4はジベレリンに関する知識をもとに文章を読解する。問5は、仮説を検証する実験を設定する問題。

平均点(過去5年分)

年度 2021年度 2020年度 2019年度 2018年度 2017年度
平均点 72.64点 57.56点 62.89点 61.36点 68.97点
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