英語(リーディング)
総評と分析
昨年同様、日常の場面を意識した多様な英文が出題された。英文の総語数は昨年に引き続き約6000語と多く、素早く必要な情報を読み取る力が問われている。
個々の設問の出題形式は昨年から変化があるものの、様々な形式の英文や資料の読み取りという点では変わらない。本文と設問および選択肢を合わせた総語数は約6000語で昨年と同程度だった。
問題分析
大問数 | 昨年と同じく6。 |
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設問数 | 昨年から2増の39。 |
解答数 | 昨年から1増の49。 |
問題量
- 英文、リード文、図表等の総語数は昨年と同程度の約4500語。設問選択肢等の総語数は昨年と同程度の約1600語。
出題分野・出題内容
- ブログ・広告などの日常的素材から資料・論説文まで、様々な英文を題材とした読解問題が出題された。
- 昨年同様、一部の問題ではイギリス英語で書かれた英文の読解問題が出題された。
出題形式
- 昨年同様、4つの選択肢から適切なものを1つ選ぶ問題の出題が中心ではあるが、選択肢を時系列順に並べ替える問題、当てはまる選択肢を複数選ぶ問題なども出題された。
難易度(全体)
- 昨年に引き続き、本文と設問等を合わせた総語数は約6000語におよび、依然として問題分量は多い。表やリード文を含む英文の様々な箇所を参照し、必要な情報を素早く読み取る力が求められる。第6問Bなどでやや解答根拠の特定に手間取る設問があり、全体として昨年より難化した。
第1問 (10点満点)
配点 | 出題内容 | 難易度 | |
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A | 4 | ハンドアウト(本文159語/設問72語) | 易 |
B | 6 | ウェブサイト(本文284語/設問85語) | やや易 |
Aは「2つの公演」についてのハンドアウト、Bは「夏休みの集中型英語キャンプ」についてのウェブサイトを題材にした問題であった。設問数はそれぞれ2問と3問で、主に必要な情報を素早く探し出す力を問うている。Aは、主に箇条書きで構成されている点は昨年と同様である。Bは、本文中から必要な情報を読み取らなければならないが、該当箇所を見つけるのはさほど難しくない。A・Bとも英文は平易で、解答に迷う設問もなく解きやすい。
第2問 (20点満点)
配点 | 出題内容 | 難易度 | |
---|---|---|---|
A | 10 | ウェブ広告(本文301語/設問148語) | 標準 |
B | 10 | レポート(本文305語/設問163語) | やや易 |
Aは「靴の新商品」を紹介するウェブ広告、Bは「通学時間の有効活用」についてのレポートを題材にした問題であった。設問数は各5問で、昨年と同じである。Aでは、例年出題されている、投稿されたコメントに関する設問のほか、解答するうえでリード文の内容を必要とする問題が出題されている。Bは、本文中から必要な情報を読み取らなければならないが、該当箇所を見つけるのはさほど難しくない。また、A・Bともにイギリス英語の使用が見られる。
第3問 (15点満点)
配点 | 出題内容 | 難易度 | |
---|---|---|---|
A | 6 | ニュースレター(本文221語/設問100語) | 標準 |
B | 9 | ブログ(本文343語/設問117語) | 標準 |
Aはオーストラリアの大学で参加する「キャンプの準備」についてのニュースレター、Bはイギリス人男性による「家での冒険ごっこ」についてのブログが題材であった。設問数は昨年同様それぞれ2問と3問だが、分量は昨年に比べてやや減少した。Aは、問1の選択肢が図が用いられた点が例年と異なる。Bの出題形式は昨年と同様で、出来事を時系列順に並べる定番の問題も出題された。A・Bのいずれも、解答に必要な情報が探しやすく、解答に迷うことはないだろう。
第4問 (16点満点)
配点 | 出題内容 | 難易度 | |
---|---|---|---|
16 | 記事(本文615語/設問151語) | 標準 |
「効果的な学習方法」について書かれた2つの記事を題材にした問題である。2つ目の記事は、1つ目の記事の内容を踏まえて主張を展開している。また、各記事に図表が1つずつ含まれている。それぞれの筆者の主張は理解しやすいが、細かい内容を問う問題や、両者の主張を関連付けて読み取らなければならない問題も含まれている。設問ごとに視点を変えながら読解することが求められる。
第5問 (15点満点)
配点 | 出題内容 | 難易度 | |
---|---|---|---|
15 | 物語文(本文754語/設問223語) | 標準 |
昨年と同様に、英文を読んで資料の空所を埋める問題であった。昨年は伝記文の出題であったが、今年は高校生が書いた自身についての物語文に変わった。設問数は5問。昨年と比較すると語数は微増したものの、英文の内容は平易である。文中の出来事を時系列に並べる設問には、ダミーの選択肢が1つ含まれている。設問全体を通して解答根拠が比較的わかりやすく、選択肢は絞りやすいものが多い。問5は具体的なエピソードを抽象化しなければならない点で少し難易度が高いが、設問全体の難易度としては標準である。
第6問 (24点満点)
配点 | 出題内容 | 難易度 | |
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A | 12 | 説明文(本文694語/設問193語) | 標準 |
B | 12 | 説明文(本文786語/設問368語) | やや難 |
A・Bともに説明文を題材にした読解問題であった。Aは「コレクション」についての英文が題材であった。設問数は4問。選択肢はいずれも本文中の表現を言い換えているものの、書いてある内容の順に沿って解答を導き出せるようになっている。Bは、昨年はポスターの空所を埋める形式だったが、今年はプレゼンテーションの資料の空所を埋める問題だった。設問数は5問。英文は「クマムシ」に関する文章で、解答の根拠となる箇所が本文中に分散しており、必要な情報を見つけ出すのに時間がかかるだろう。
平均点(過去5年分)
年度 | 2022年度 | 2021年度 | 2020年度 | 2019年度 | 2018年度 |
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平均点 | 61.8点 | 58.08点 | 116.31点 | 123.3点 | 123.75点 |