英語(リスニング)
総評と分析
昨年同様、第3問から第6問は1回読みの出題であり、またイギリス英語などの読み上げも含まれた。
全体の大問構成や読み上げの方式は昨年とほぼ同様であった。後半では専門的な内容や、複数人の発言内容の整理が必要な問題等、1回で聞き取って解答するにはやや難しい問題も含まれた。
問題分析
大問数 | 昨年と同じく6。 |
---|---|
設問数 | 昨年と同じく37。 |
解答数 | 昨年と同じく37。 |
問題量
- 問題部分のスクリプトの総語数は昨年とほぼ同じで約1600語。設問および選択肢等の総語数は昨年から約100語減少し、約700語であった。
出題分野・出題内容
- 前半では短文の聞き取りや日常会話といった比較的平易な内容が出題された。一方、後半では第5問の講義など、やや専門的な内容が出題された。
- 一部の問題で、イギリス英語や英語を母語としない話者による読み上げを意識した音声が含まれた。
出題形式
- 昨年同様、4択問題が中心であるが、ワークシートを埋める問題や、4人の話者のうち特定の意見をもつ人物を答える問題なども出題された。
難易度(全体)
- 全体の問題構成は昨年とほぼ同じであり、音声も昨年に続いて比較的聞き取りやすかった。昨年は平均正答率が低かった第5問と第6問で、講義や会話の内容が身近で理解しやすくなったことで、全体として昨年よりやや易化した。
第1問 (25点満点)
配点 | 出題内容 | 難易度 | |
---|---|---|---|
A | 16 | 短文(本文49語/設問139語)(2回読み) | やや易 |
B | 9 | 短文(本文31語/設問0語)(2回読み) | やや易 |
A・Bともに去年と同様の形式・設問数で、Aは1~2文の英文を聞き、その内容に最も近い英文の選択肢を選ぶ問題(4問)、Bは1~2文の英文を聞き、その内容に最も近いイラストを選ぶ問題(3問)であった。Bは4種類のイラストの差異が明確で、放送される内容が推測しやすい。いずれの英文も短く、仮定法等の紛らわしい表現が含まれなかった。
第2問 (16点満点)
配点 | 出題内容 | 難易度 | |
---|---|---|---|
16 | 短い対話(本文108語/設問27語)(2回読み) | 標準 |
2人の人物の対話を聞き、その内容に合致するイラストを選ぶ問題。昨年と同様の問題形式で、設問数も変わらず4問であった。昨年は本文に対し問われている内容が間接的に表現されている設問も見受けられたが、本年は比較的ストレートに表現されている設問も多い。全体としては標準的な問題が多いが、問9は正答に関係する単語が直接言及されず、消去法で解く必要があり難度が高い。
第3問 (18点満点)
配点 | 出題内容 | 難易度 | |
---|---|---|---|
18 | 短い対話(本文294語/設問153語)(1回読み) | 標準 |
短い対話を聞き、問題冊子に書かれた設問の答えとして最も適切なものを選ぶ問題である。出題形式と設問数は昨年と同様であった。設問については、素直に解答にたどり着けるものも多い。問15と問17は、イギリス英語話者による発話であったと思われる。特に目立って難しい設問はなく、難易度は昨年同様、標準である。
第4問 (12点満点)
配点 | 出題内容 | 難易度 | |
---|---|---|---|
A | 8 | モノローグ(本文159語/設問60語)(1回読み) | 標準 |
B | 4 | 複数人による演説(本文170語/設問24語)(1回読み) | 標準 |
Aの1つ目の設問は、棒グラフの各項目に当てはまるものを選択肢の中から選ぶ問題であった。2つ目の設問は、大会の順位表をもとに、贈られる賞品を選ぶ問題。いずれも英文自体は平易だが、1回しか音声が流れないため、注意深く聞く必要がある。Bは、4人の演説を聞き、条件に合う候補者を選ぶ問題。4人の中には、日本語が母語であると思われる話者や、イギリス英語の話者が含まれる。
第5問 (15点満点)
配点 | 出題内容 | 難易度 | |
---|---|---|---|
15 | 講義(本文386語/設問152語)(1回読み) | 標準 |
「アジアゾウ」についての講義が題材となっている。昨年同様、講義の概要をまとめたワークシートの空所を埋める問題、講義の内容に一致する英文を選ぶ問題、グラフおよび講義全体の内容と一致する英文を選ぶ問題が出題された。音声のスピードはそれほど速くなく、比較的聞き取りやすいものであった。パラグラフごとの内容を把握できれば解答できる設問は多いが、最後まで集中して聞き取ることは容易ではない。
第6問 (14点満点)
配点 | 出題内容 | 難易度 | |
---|---|---|---|
A | 6 | 対話(本文161語/設問72語)(1回読み) | 標準 |
B | 8 | 会話(本文222語/設問55語)(1回読み) | 標準 |
Aは「ソロハイキング」に関する2人の対話、Bは「就職後に住む場所」についての4人の会話が題材であった。設問数は昨年同様、各2問である。Aでは昨年まで出題されていた発言の要点を問う問題がなくなり、話者が賛同する記述を選ぶ問題と、会話終了時の話者の意見を問う問題になった。Bの設問形式は昨年から変化はなかった。A・Bともに音声のスピードはそれほど速くないが、Bに関しては4人の発話を整理しながら各々の意見を把握するのは難易度が高い。また、英語を母語としない話者と思われる発話が含まれていた。
平均点(過去5年分)
年度 | 2022年度 | 2021年度 | 2020年度 | 2019年度 | 2018年度 |
---|---|---|---|---|---|
平均点 | 59.45点 | 56.16点 | 28.78点 | 31.42点 | 22.67点 |