現代社会

総評と分析

第1日程と同様に全体的に問題文や資料の分量が増加し、各分野の基礎的・基本的知識に加え、思考力・判断力も幅広く問われている。


過去2回の試行調査で出題されたような新たな形式の問題が見られたが、各分野の基礎的・基本的知識を中心に、思考力・判断力も問われる形式は昨年度までのセンター試験と変わらなかった。しっかりと教科書の知識を習得した上で、共通テストを意識して対策した受験生は落ち着いて解くことができただろう。

センター試験・試行調査との相違点(第1日程との相違点)

  • センター試験より大問数・設問数・解答数は減少したが、過去2回の試行調査の傾向と同様に、問題文や資料の分量が増加したことで、一つひとつの解答を導くのに時間がかかり、時間配分が難しかった受験生が多いだろう。また、第1日程との大きな変化はない。

問題分析

大問数 5
設問数 30
解答数 30

問題量

  • 大問数は昨年までのセンター試験や第2回試行調査から1問減少して5問だった。設問数は第2回試行調査と同様、センター試験から6問減の30問だった。解答数は30で、第2回試行調査から3問、センター試験から6問減だった。第1日程から変更はない。

出題分野・出題内容

  • 大問内の小設問は、「政治・経済的事項」「倫理的事項」が分野横断的に構成されている。
  • 主権者教育など、「現代社会」において重要視されている内容を意識した出題が見受けられる。
  • 昨年度までのセンター試験で見られた「課題追究学習(調べ学習)」に関する出題は見られなかった。

出題形式

  • 「組合せとして最も適当なもの」を選ばせる問題が大幅に増加した。
  • 上記の結果、単純な4(あるいは5)択の正文選択・誤文選択問題が大幅に減少した。

難易度(全体)

  • 昨年度のセンター試験と比べて、やや難化。問題自体は一部やや難しい問題も含まれるが、全体的には標準レベルであった。一方、解答数は減少していたが、問題文や資料の分量が増加し、受験生の負担は大きくなった。また、試行調査(2018年度実施)と比べて、難易度に大きな変化なし。試行調査ほどの大幅な分量の増加は見られなかった。

第1問 (26点満点)

配点 出題内容 難易度
26 身近な出来事から考える社会問題 標準

夏休みに祖父母の家に出かけた高校生の体験や会話を軸に、分野横断的な出題がされた。問1は機会費用について。空欄Yは空欄の前後を読むだけでは解答できない。会話文をある程度流し読みして簡単な計算をする必要がある。問2はユニバーサルデザインの事例を選ぶ問題。知識がなくとも定義が示されているので、読解力があればそれぞれ事例のどちらがそれに当てはまるか選ぶことは容易である。問5は第2回試行調査の解答番号1で見られた、ある主張を持つ人が賛同する意見はどれか選ぶ問題。問題文は4段落と長いが、後半の2段落を読むだけで解答できる。

第2問 (23点満点)

配点 出題内容 難易度
23 『あたらしい憲法のはなし』 標準

1947年発行の『あたらしい憲法のはなし』を題材に、政治分野を中心に出題された。問2・3は倫理分野の4択正文選択問題。問4は刑事手続において保障される憲法上の権利について。本文をヒントに解答を導くことも可能であるが、知識ですぐに解答したい問題である。問5は最高裁判所が「裁判員制度は憲法に違反しない」と判断した判決文の引用を基にした司法に関わる概念についての出題。判決文から引用されているということで、一見すると難解な印象を受けるが、誤選択肢がわかりやすく、引用文も重要な単語や語句を拾っていけば解答は容易である。

第3問 (16点満点)

配点 出題内容 難易度
16 『改訂 日本経済再建の基本問題』 やや難

昭和21年9月の『改訂 日本経済再建の基本問題』を題材に、経済分野を中心に出題された。問2は加盟国数で判断するのが無難か。EUやNAFTAなどわかりやすいものから選択肢に当てはめていくと解答を出しやすい。問5は第2回試行調査の解答番号17から20の連動型問題に似た問題。本問では自分が選んだ立場ではなく、本文中の下線部に整合的な姿勢はどちらか選ぶことになる。後半の正解選択肢の長距離越境大気汚染条約についての記述がある教科書はほぼなく、本文を読んで解答を出すことも不可能なため、難問と言えるだろう。

第4問 (23点満点)

配点 出題内容 難易度
23 世界的な課題に取り組む組織やその関連団体 やや難

大学生たちの会話を軸に、国際分野について出題された。問4は「難民」の定義に該当する事例を選択する4択問題。定義が示されているので、知識がなくとも解答することができる。問5は第2回試行調査の解答番号14のような国際政治上の出来事と日本政治上の出来事を年代順に並べる問題。それぞれの出来事が起きた大体の年代、前後・因果関係についての知識が必要になる。問6は国際司法裁判所について。空欄エでは知識が、空欄オでは空欄の前の文章を踏まえた読解力・思考力が問われている。

第5問 (12点満点)

配点 出題内容 難易度
12 課題探求「持続可能なまちづくりを進めるための政策」 やや易

現代社会の授業のまとめとしての課題探求を題材に、資料の読み取り問題を中心に出題された。問1は複数資料が示されているが、それぞれ1つの資料を見れば解答が出せる単純な資料読み取り問題。問2は第2回試行調査の解答番号6と32をあわせたような問題。それぞれの政策の「すべて」や「重点的に」といった重要語句を拾うことができれば解答は容易である。問3は問題文中で示された観点に直接基づく取組みの事例を選択する問題。本問も問2のように重要語句(「自治体が主導する政策に頼るのではなく」、「自ら」等)を拾うことができるかが鍵になる。

大学入試センター試験平均点(過去5年分)

年度 2020年度 2019年度 2018年度 2017年度 2016年度
平均点 57.30点 56.76点 58.22点 57.41点 54.53点
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