政治・経済

総評と分析

設問の中に内容・形式が「現代社会」に近いものが目立ち、「政治・経済」としての知識問題は少ない。任意選択の設問が初登場したのも目立った。


出題形式は試行調査や第1日程の「政治・経済」に比べ、それぞれの「現代社会」に近くなった。形式だけでなく、第2問(市長選挙の演説)・第4問(地域課題の調査)は出題の中に「現代社会」に近いものが含まれている。

センター試験・試行調査との相違点(第1日程との相違点)

  • センター試験で過半を占めていた正文または誤文を選ぶだけ(資料読解なし)の単純な選択問題は2割弱(5設問)へと激減。試行調査と比べると、古い順に並べる設問が消えた一方で、試行調査の「現代社会」「倫理」にあった任意選択問題が初登場した。これが第1日程との明らかな相違点でもある。

問題分析

大問数 4
設問数 30
解答数 32

問題量

  • 設問数はセンター試験より減り、第1日程と同数。図表などの資料はセンター試験より顕著に増え、第1日程と同程度の量であった。

出題分野・出題内容

  • 第2問は政治分野から、第3問は経済分野からの出題で、他の2問題は両分野からの出題。第1日程(第1・3問は経済分野から)と比べ、経済分野からの出題が減って政治分野と経済分野が半々の出題になった。
  • 第1問以外は、一部を除き「倫理、政治・経済」との共通問題。
  • 大問のテーマは、第1問が国家の役割、第2問が市長選挙の演説、第3問が世界経済の諸問題、第4問が地域課題の調査。

出題形式

  • 正文または誤文を選ぶだけの単純な正誤判定問題は5設問(設問数の2割弱、センター試験では過半を占めていた)。該当するものをすべて選ぶ組合せ問題が3設問あったほか、設問中の文章の空欄補充問題、図表問題、その他の組合せ問題も出題されたが、年代順の問題はなかった。

難易度(全体)

  • 昨年度のセンター試験と比べて易しい知識問題は減ったほか、ボリュームのある資料読解問題や計算を要する問題が増えて解答に時間がかかり、難易度としてはやや難化した。試行調査(2018年度実施)と比べると、簡単に答えられる設問が目立ち、やや易化したと思われる。

第1問 (24点満点)

配点 出題内容 難易度
A 13 国家の役割(ホッブズ、政治体制、地方自治、消費者問題) 標準
B 11 財政への意見(選挙制度、国民資産・負債残高など) 標準

第1問は「政治・経済」単独の問題。問1は『リヴァイアサン』におけるホッブズの自然法・自然権・自然状態の記述を見分ける良問。問2(米仏の政治体制)・問3(地方自治)・問4(消費者問題)はいずれも基本問題で易しい。問5(財政への意見と政策)は、公債と選択肢(1)の組合せが簡単なので易しい。問6は2018年度試行調査「現代社会」などで見られ「政治・経済」初登場となった任意選択形式だが、選挙制度に関する基本問題なので易しい。問7は珍しく国民資産・負債残高が出題され、数値の経年変化の背景に関する選択肢の記述(逆資産効果などの用語を含む)を考えるのでやや難しい。

第2問 (26点満点)

配点 出題内容 難易度
A 12 市長選挙(刑事手続、行政活動の法制度、地方公共団体の事務など)
B 14 候補者の主張(大規模小売店舗立地法、公的医療保険、労働法など) やや易

問2・4以外は「倫理、政治・経済」との共通問題。問1(在外選挙権など)・問2(刑事手続)は正解の選択肢が易しい。正しいものをすべて選ぶ問3(特定秘密保護法など)や正誤の組合せを答える問4(地方公共団体の事務)も易しいと言える。Bの4設問も、入山税などが登場する問6以外はあまり知識を要せず、比較的易しい。

第3問 (26点満点)

配点 出題内容 難易度
A 6 スマホとスニーカー(国際分業、需要・供給曲線) 標準
B 10 ビデオチャット(比較生産費説、国・地域の分類、気候変動問題) 標準
C 10 共通新聞(経済学者、世界恐慌、円相場) 標準

問4・8以外は「倫理、政治・経済」との共通問題。問1の「企業内貿易」はやや細かい語句であるが、「所有と経営の分離」が理解できていれば正解に至る。問2(需給曲線)・問3(比較生産費説)は計算も必要だったが、難しくはない。問8は、「第一次石油危機(1973)」「第二次石油危機(1978)」、「プラザ合意(1985)」、「ルーブル合意(1987)」、「アジア通貨危機(1997)」、「単一通貨ユーロ導入(1999)」の各年度を覚えていないと正確な読み取りができず、やや細かい知識が必要であった。

第4問 (24点満点)

配点 出題内容 難易度
24 地域課題の調査(農業経営、需要の価格弾力性、地方自治など) 標準

問1・3・6以外は「倫理、政治・経済」との共通問題。問1は時事的な出題。問2は読み取り問題で難しくない。問3は中小企業に関する基本問題。問4(需要の価格弾力性)は、変化の割合を丁寧に読み取る必要がある。問5は地方自治に関する基本問題。問6は費用対効果の説明を踏まえた問題。読解をした上で簡単な計算が必要になるので、解く上でやや時間がかかる。問7は地方自治に関する基本問題。

大学入試センター試験平均点(過去5年分)

年度 2020年度 2019年度 2018年度 2017年度 2016年度
平均点 53.75点 56.24点 56.39点 63.01点 59.97点
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