物理基礎

総評と分析

全体の出題構成は、ほぼセンター試験を踏襲。基本問題を中心とした出題だが、センター試験より計算量がやや増加。


第3問においてA、Bの分割がなくなったことを除いて、出題構成はほぼセンター試験と同じであった。ただし、第3問は力学と電気の融合問題。センター試験と同様に基本問題を中心とした出題であったが、測定データの数値を読み取らせる問題、計算に手間のかかる問題が目立った。

センター試験・試行調査との相違点(第1日程との相違点)

  • センター試験における第3問のA、Bの分割がなくなった。指数だけを答える新形式の問題が出題された。第1日程との相違点は、第3問が力学と電気の融合問題であった。

問題分析

大問数 3
設問数 13
解答数 15

問題量

  • 数値計算が増加。

出題分野・出題内容

  • 第1問は、力学、電気、波、熱からの小問集合。
  • 第2問は、Aが気柱の共鳴、Bが電流の測定。
  • 第3問は、等加速度運動、電力量、力学的エネルギー。

出題形式

  • 第1問は小問集合形式。第2問はA、Bに分割され、それぞれ異なる題材からの出題。

難易度(全体)

  • 昨年度センター試験および試行調査(2018年度実施)に比べ難易度は同程度であった。第1日程では面倒な計算・数式を答えさせる設問がなく定性的に即答できる設問が多かったが、第2日程では数値計算の手間を要する設問が目立った。また、第1日程では第3問が力学分野のみからの出題であったが、第2日程では第3問が力学と電気の融合問題であった。

第1問 (16点満点)

配点 出題内容 難易度
問1 4 水圧 やや易
問2 4 電流と自由電子 標準
問3 4 反射波 やや易
問4 4 熱量の保存 標準

問1は水圧に関する基本問題である。問2は電流のモデルを視覚的に表した場合を式の理解と照らして考えられるかがポイント。問3は反射波の作図に関する基本問題である。問4は水が温まりにくくなる質量の条件と熱量保存の計算である。式で与えられた情報を現象の理解に結び付けられるかがポイントである。

第2問 (19点満点)

配点 出題内容 難易度
A 9 気柱の振動 標準
B 10 抵抗を流れる電流の測定 標準

A:本問では開口端補正が無視されているが、実験手順は開口端補正がある場合に対策できるものである。問1は共鳴する2箇所の距離が定常波の半波長に相当することがわかればよい。問2は音速の式と波の基本式から気温の変化による波長の変化を見抜けるかがポイントである。B:問3は電流計の読み取りであり、mAとAの単位換算、最小目盛りの1/10まで読み取ることに注意して丁寧に解答したい。問4は実際の測定において適切な接続端子を選ぶ。電流が端子ごとのレンジ(測定範囲)を超えないかグラフ中で丁寧に確認する必要がある。問5は実験データの扱いや、グラフによるデータ整理の方法の理解が問われた。しかしながら、解答する抵抗値は概数で求めればよいので、臨機応変に解答したい。

第3問 (15点満点)

配点 出題内容 難易度
15 電車の運動のグラフによる解析 標準

v-tグラフの記録で与えられた運動を既知の運動に近似して解析する問題である。問1は原点を通る等加速度運動に近似し、グラフの傾きから加速度を求めればよい。問2はv-tグラフの面積から移動距離を求める。t=0s、20s、40s、70s、90sと区間を分けて計算すればより丁寧な値を計算できるが、与えられた選択肢から概数が得られれば十分と判断して全体を一つの大きな三角形の面積に近似して計算し、三角形から少しはみ出す面積を加味して解答すれば楽である。問3は電流のグラフから電流を読み取り、電力量の公式で計算するだけである。問4は重力と勾配のある線路(なめらかな斜面と考えてよい)からの垂直抗力を受けた運動であるので、力学的エネルギー保存則で考えたい。グラフから勾配一定の等加速度運動に近似して考えることもできるのでグラフの面積から求めてもよいが、やや手間である。

大学入試センター試験平均点(過去5年分)

年度 2020年度 2019年度 2018年度 2017年度 2016年度
平均点 33.29点 30.58点 31.32点 29.69点 34.37点
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