地学

総評と分析

初見の資料が目立ち、問題設定を理解するのに時間を要する。基礎知識問題は少なく、図表や数値を扱う問題が中心の出題だった。


図表を読み取る問題、数値を扱う問題、細かい知識を問う問題が中心の出題だった。初見の資料や問題文の読解に時間を要する。試行調査のような探求活動のレポート形式の出題は見られなかった。

センター試験・試行調査との相違点(第1日程との相違点)

  • 昨年度のセンター試験や第1日程と比べて、図表を用いた問題や考察問題が増加した。下書き用紙を除いたページ数は、試行調査や第1日程、選択問題の片方を選んだときのセンター試験と同じ30ページだが、第1日程と比較して科学的思考力や資料分析の力が問われる問題が多かった。

問題分析

大問数 5
設問数 30
解答数 30

問題量

  • 図表や問題文の読み取りに時間を要するだろう。また計算問題は5題で、使用する公式は与えられており取り組みやすかった。資料や問題文の読解を考えると、全体の問題量は時間に対してやや多いと思われる。

出題分野・出題内容

  • 全30題中、地球分野から14題が、大気海洋分野と宇宙分野から8題ずつが出題され、出題分野の内訳は試行調査よりも2020年度センター試験に近い。
  • 図表を読み取る問題や数値を扱う問題が中心の出題だった。
  • 図表の読み取りと細かな知識が組合わさった問題もあり、基礎知識だけでは解けない問題が多い。
  • 問題文を注意深く読み取らないと問われていることが理解できない問題も見られた。

出題形式

  • 30題中4択以上の問題は、6択形式の問題が2題とほぼ4択問題であり、選択肢の多い問題は少なかった。また、計算問題は5題、図を選択する問題は6題だった。

難易度(全体)

  • 前年度のセンター試験と比べても、試行調査と比べても、やや難化したと思われる。初見の資料が多く、図表や文章から題意をつかむのに時間を要する。基本的な知識のみで正答を絞れる問題もあるが、細かい知識を問う問題も多い。

第1問 (17点満点)

配点 出題内容 難易度
A 6 生物と地質時代区分、宇宙の時間スケール やや難
B 11 転向力、成層圏を吹く風、地磁気逆転 やや難

地学における時間スケールや空間スケールの把握を問う試行調査同様の分野横断的な出題で、地球、大気海洋、天文の複数の分野から出題された。問1のメガネウラはやや細かい知識だが、飛翔する大型昆虫が古生代後半に出現していたことは覚えておこう。問2の鳥類が出現した中生代から現在までの時間は数億年単位である。問4はこの火山が赤道付近にあることを考えれば、地球1周の40000 kmを使って計算できる。問5は直近の地磁気逆転であることに注意して、仮説通りに描かれている図を選択する。

第2問 (17点満点)

配点 出題内容 難易度
13 地球の内部、放射性同位体、プレート上の火山列、地震の規模と断層 やや易
4 黒鉱鉱床 やや易

Aは地球内部、Bは鉱床からの出題で、従来のセンター試験のような知識問題も見られた。問2は放射性同位体の崩壊にともなう岩石の発熱量の変化を問う問題だが、現在が過去の何倍かではなく、過去が現在の何倍かを問うていることに注意する。問3は火山列の配置からプレートの運動方向の変化を読み取る、過去にも出題例のある典型的な問題である。問4は地震のマグニチュードと断層の長さの関係をグラフから読み取らせる問題で、余震の震源分布から本震を起こした断層の広がりを知ることができる。

第3問 (23点満点)

配点 出題内容 難易度
10 火成岩と偏光顕微鏡
13 ルートマップ、新第三紀のできごと やや難

Aの問1は、干渉色を観察するのが開放ニコルでなく直交ニコルであることと、石英に多色性はないことから正答できる。問2は直交ニコルでステージを90度回転させたときの変化を問う目新しい問題で、実際の観察経験があると有利だろう。Aの問3は結晶分化作用によるマグマの組成の変化についての、Bの問4は走向傾斜の定義についての平易な問題である。Bの問5、問6はルートマップについての問題で,題意を正しく読み取れるかで差がついただろう。Bの問7は日本海の拡大時期の知識だけで正答できる。

第4問 (20点満点)

配点 出題内容 難易度
10 緯度と気温低下、フェーン現象、極渦 やや難
7 潮汐 やや易
3 波長と水深による波の速さの変化 標準

Aは大気に関する出題である。問1、2は問題文の把握と図表の読み取りが必要である。問3の極渦自体は非常に細かい知識だが、冬季の極には背の低い高気圧ができて上空の気圧が低いことだけで正答できる。Bは潮汐に関する出題で、問4、5ともに図をヒントに考えたい。Cの問6は与えられたグラフから数値を読み取る問題で、問題を解くことを通じて表面波と長波の性質の違いがなぜ生じるかを視覚的に理解しやすくなっている。第1日程の第4問にも同様の図表の読み取り問題が出題された。

第5問 (23点満点)

配点 出題内容 難易度
14 連星の観測、表面温度とスペクトル、恒星の進化、恒星の半径 標準
6 年周視差、ハッブルの法則
3 系外惑星におけるケプラーの第3法則 標準

天文分野では第1日程では公式を覚えていなければ解答できない問題もあったが、第2日程では公式が与えられた。問2は各恒星のスペクトルが最も明るくなる波長域を読み取って波長が短い順に並べればよい。問3は核融合反応の知識問題で、誤りの選択肢を比較的選びやすい。ヘリウムの核融合でできるのは炭素と酸素である。問4は関係式が与えられており、計算式は立てやすい。図の目盛りの読みや計算は概算でよい。問7もケプラーの第3法則の式が与えられており、計算も容易である。

大学入試センター試験平均点(過去5年分)

年度 2020年度 2019年度 2018年度 2017年度 2016年度
平均点 39.51点 46.34点 48.58点 53.77点 38.64点
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