地理B
総評と分析
図表は例年通り多く使われているが、特に判断に迷うものはなく、正確な知識があれば正解できる。注意深く問題を解き、失点を防ぎたい。
地理の全分野について満遍なく学習することが求められている。図表の分析問題は、正確な知識があれば正解できるものが多いので、手堅く解答したい。各小問とも学力が直接反映されるものが多く、良く練られている。
問題分析
大問数 | 5で昨年から変更はない。 |
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設問数 | 30で昨年から変更はない。 |
解答数 | 30で昨年の31から1つ減った。 |
問題量
- 大問の問題文、小問の図、表、写真、選択肢表などの文字を除いた設問文および選択肢の文字数は1万字弱で、昨年よりやや少ない。取り組みやすい問題が多く問題文を迅速に読み、判断することが求められる。
出題分野・出題内容
- 出題分野は、自然環境と自然災害、資源と産業、人口・都市、世界地誌、地域調査の5分野である。
- 出題内容は、第1問は「世界の自然環境と自然災害」、第2問は「世界と日本の資源と産業の変化」、第3問は「都市と生活文化」、第4問は「環太平洋の地域の地誌」、第5問は「島根県石見地方の地域調査」で、各大問の設問数はそれぞれ6である。
出題形式
- 4つの文の4択正誤判定問題は2問、文の下線部の4択正誤判定問題は5問、2項目4択の組合せ問題は4問、2項目6択の組合せ問題は1問、3項目6択の組合せは10問、表中の4択問題は1問、図中の4択問題は7問であった。
難易度(全体)
- やや易化した。初見の図表類、読み取りに時間のかかる図表類が散見されるが、全体としては昨年よりも取り組みやすかった。
第1問 (20点満点)
配点 | 出題内容 | 難易度 | |
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20 | 世界の自然環境と自然災害 | 標準 |
世界の自然環境と自然災害に関する問題。問1はニュージーランドはイギリスよりも急峻で平均標高が高く、人口密度が低く森林の割合が高い。問2は北緯60度から80度の地域でもユーラシア大陸東部は雪が少ないことを想起する。問3はEがフィヨルドと容易に判断できる。問4はムンバイが最も低緯度で乾季の1月の日照時間が長いことを想起する。問5はカナダの3~5月の融氷期、メキシコの9~11月のハリケーンの時期に注目する。問6は最大風速が台風の襲来が多い南西諸島、日降水量が多雨地域の紀伊半島、四国に集中することを読み取る。
第2問 (20点満点)
配点 | 出題内容 | 難易度 | |
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20 | 世界と日本の資源と産業の変化 | やや易 |
鉄鋼業などの製造業を中心とした問題。問1は鉄鉱石の産出量、輸出量、輸入量に関する容易な問題。問2は日本は明治から鉄鉱石を輸入していたが、石炭は1940年頃でも国内で産出されていたことから判断する。問3はオーストラリアが日本にとって最大の石炭の輸入相手国であることに注目する。問4はドイツなどの先進国が付加価値の高い製品の製造に切り替えたことから解く。問5は日本の繊維工業の衰退などについて基本的な知識が問われており容易である。問6は環境対策や地域振興など、近年注目される諸課題についての容易な問題である。
第3問 (20点満点)
配点 | 出題内容 | 難易度 | |
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20 | 都市と生活文化 | 標準 |
都市と生活文化に関する問題。問1は臨海地域の土地利用や都心と郊外の人口移動について考えて解く。問2は福岡市以外の都市を当てはめ、消去法で解く。問3は先進国はBRICSに比べて人口増加が小さいこと、農村部から都市圏に流入した人々は教育水準が相対的に低いことを考える。問4はバングラデシュの首都が首位都市であること、オーストラリアの2大都市の人口が拮抗していることを想起する。問5は図に関する誤文を選ぶ問題で、図をよく見れば容易。問6は4都市のラテンアメリカ諸国やアジア・太平洋諸国との近接性を考慮して解く。
第4問 (20点満点)
配点 | 出題内容 | 難易度 | |
---|---|---|---|
20 | 環太平洋の地域 | 標準 |
環太平洋の地域に関する問題。問1は線B上にホットスポット上で形成された島が分布することから考える。問2はハイサーグラフから気候を読み取り、そこで飼育されている家畜も考慮して解く。問3はカナダで肉や牛乳、日本で魚によるたんぱく質供給量が多いことに着目する。問4は地理的近接性や島嶼国・地域の属する国を考えて解く。問5は輸出入額が大きいPとQに絞った上で、1999年の輸出入額が小さい方が中国と判断する。問6は国際分業が進んでいることから、自動車が完成するまでに多数の国が関わる事例が多く見られる。
第5問 (20点満点)
配点 | 出題内容 | 難易度 | |
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20 | 島根県石見地方の地域調査 | やや易 |
島根県石見地方の浜田市を中心とした地域調査の問題。問1は冬の季節風の影響や隔海度から判断する。問2は自地区が利用される傾向にあるカが食料品、広島市や出雲市が利用される傾向にあるキが娯楽・レジャーである。問3は小学校区bのコンビニエンスストアの少なさに注目する。問4はFに見られる道路は自動車が利用するには狭いことに注目する。問5は瀬戸内海での塩の生産や、石見焼が確認された地点が臨海部に多いことに注目する。問6は伝統行事の保存・継承が地域文化に対する愛着の醸成につながると容易に判断できる。
平均点(過去5年分)
年度 | 2023年度 | 2022年度 | 2021年度 | 2020年度 | 2019年度 |
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平均点 | 60.46点 | 58.99点 | 60.06点 | 66.35点 | 62.03点 |
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