公共(地理総合/歴史総合/公共)
総評と分析
2022試作問題と比較して全体的な形式に大きな変更はなし。各分野の基礎的知識に加え、読解力・思考力・判断力も問われている。
問題の形式の大きな変更はなし。教科書の知識を習得した上で、2022試作問題を踏まえて思考力・判断力が問われる問題への対策をしてきたかどうかで差がつくだろう。
問題分析
大問数 | 4 |
---|---|
設問数 | 16 |
解答数 | 16 |
問題量
- 30分ですべての問題を解くにはやや厳しい文章量だった。
出題分野・出題内容
- 第1・4問は探究活動を題材に様々な分野からの出題。第4問は倫理分野からの出題もあった。
- 第2問は経済分野、第3問は政治分野からの出題で、2022試作問題とは逆だった。
- 平等や社会参画など、「公共」において重要視されている内容を意識した出題が見受けられる。
出題形式
- 単純な4択知識問題の出題はなかった。
- 「組合せとして最も適当なもの」を選ぶ問題が大半だった。
- ほとんどの問題は2022試作問題や昨年度までの共通テスト「現代社会」で見られたような形式だった。
難易度(全体)
- 2022試作問題と比較してやや易化。必要とされる知識は基礎的なもので、読み取り問題も与し易い問題がほとんどである。
第1問 (12点満点)
配点 | 出題内容 | 難易度 | |
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12 | 探究活動「男女共同参画社会」 | やや易 |
「公共」の授業での探究活動「男女共同参画社会」を題材に、読み取り問題を中心に出題された。問1は日本の男女平等に関する法的状況についての知識問題。問2は表の読み取り問題。どこを見ればよいかの誘導があるので易しい。問3は国政における女性議員比率の国際比較の表とそれを基にした会話文の読み取り問題。文章量が多いが難しくはない。問4は平等の種類とアイヌ民族差別についての会話文の穴埋め問題。知識が必要とされる空欄ウのアイヌ施策推進法(アイヌ民族支援法)はやや盲点か。
第2問 (12点満点)
配点 | 出題内容 | 難易度 | |
---|---|---|---|
12 | 卒業生による講演会 | やや易 |
卒業生による講演会を題材に、経済分野を中心に出題された。問1はメモにまとめられた社会関係資本、社会的共通資本の記述を正しく読み取れていない発言を選ぶ問題。メモの記述は抽象的で意味を取りにくいかもしれないが、選択肢は直接的で判断しやすい。問2は資金調達の手段についての知識問題。問3は為替レートの変動についての読み取り・計算問題。計算も最低限であり、昨今の社会情勢から正答は難しくないだろう。問4は日本銀行の金融政策についての知識問題。
第3問 (13点満点)
配点 | 出題内容 | 難易度 | |
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13 | 裁判所の役割 | 標準 |
「公共」の授業での裁判所の役割について調べる課題学習を題材に、政治分野を中心に出題された。問1は選挙制度についての知識と一票の格差についての表の読み取り・計算問題。問2は日本の最高裁の違憲判決の内容についての知識問題。問3は日本の裁判所の役割についての知識・読み取り問題。問4は日本における犯罪と刑罰の関係についての読み取り問題。
第4問 (13点満点)
配点 | 出題内容 | 難易度 | |
---|---|---|---|
13 | 探究活動「公共空間の持続的形成」 | 標準 |
「公共」の授業での探究活動「公共空間の持続的形成」を題材に、倫理分野を中心に出題された。問1はハーバーマスとアーレントについての知識問題。アーレントはやや盲点かもしれない。問2は表の読み取り問題。問3は三つの発言のうち、帰納的に推論されているものを選ぶ読み取り問題。今まであまり見られなかった形式の問題であるが、「帰納的」の意味が分かっていれば易しい。問4はメモ中の記述と、それぞれに該当する事例の組合せを選ぶ読み取り問題。下線部に加えて同段落中の「」内の記述も参照できればさらに解きやすい。
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