地理総合(地理総合/歴史総合/公共)

総評と分析

2022試作問題と比較して、4大問の構成、総小問数は16と変化はない。地球的課題としての食料の生産や消費、地域調査、防災、生活文化がテーマで、地理総合で取り上げられる項目を少ない大問の中にうまく取り込んでいる。


地理総合の全分野について満遍なく学習することが求められている。図表の分析問題は、正確な知識があれば正解にたどり着きやすいため確実に解答したい。各小問とも学力が直接反映されやすく、工夫された良問が多い。

問題分析

大問数 4
設問数 16
解答数 16

問題量

  • 大問の問題文、小問の図、表、写真、選択肢表などの文字を除いた設問文および選択肢の文字数は約4,700字であった。取り組みやすい問題が多く問題文を迅速に読み、判断することが求められる。

出題分野・出題内容

  • 出題分野は、地球的課題、地域調査、自然環境と防災、生活文化の4分野である。
  • 出題内容は、第1問が地球的課題にかかわる食料の生産や消費、第2問が愛知県東部の東三河地域の地域調査、第3問が日本の自然環境と防災、第4問が世界の生活文化である。第1問と第2問は「地理総合,地理探究」と同一内容である。

出題形式

  • 4つの文の4択正誤判定問題は2問、文の下線部の4択正誤判定問題は4問、2項目4択の組合せ問題は3問、3項目6択の組合せ問題は4問、3項目8択の組合せ問題は1問、図中の4択問題は1問、語句の4択問題は1問であった。

難易度(全体)

  • 標準的な難易度である。見慣れない図表も一部見られたが、教科書の知識を元に考察すれば解答可能な問題が多い。2022年の試作問題と同程度の難易度である。

第1問 (13点満点)

配点 出題内容 難易度
13 食料の生産や消費 標準

食料の生産や消費に関する大問である。問1は日本、韓国、サウジアラビアが共通して高位であることから、穀物の輸入依存度である。問2は図2中の4地点の自然環境と農業の特徴の文を選ぶ問題で、気候と農業の関係について正確な知識があれば平易である。問3は日本を含む5か国のコーヒーと茶の1人1日当たり消費量の図で、イギリスは茶の消費量とともにコーヒーの消費量も一定量あることに着目する。問4は「収穫時期が短期に集中し」の部分が適当でない。

第2問 (12点満点)

配点 出題内容 難易度
12 東三河地域の地域調査 標準

東三河地域の地域調査の大問である。問1は資料1の下線部の正誤を図1の新旧地形図から判定する問題で平易である。下線部cは東新町付近の標高8.8mの水準点と瓦町付近の標高19mの標高点から判断する。問2は資料2を参照する会話文中の下線部の正誤判定で、三河湾臨海地区は臨海部にあることから海外自動車メーカーが立地していると考える。問3は水をあまり必要としないサツマイモから、豊川用水の開通でキャベツに転換したと考える。問4は東三河地域は静岡県とは自動車交通によるつながりが非常に強いことからわかりやすい。

第3問 (13点満点)

配点 出題内容 難易度
13 日本の自然環境と防災 標準

日本の自然環境と防災に関する問題である。問1は日本列島周辺のプレートの動きに関する平易な問題である。問2は札幌、仙台、奄美大島の3地点の気候の特徴を把握しているかが問われている。問3は地すべり地の土地利用と自然災害の原因についての組合せを選ぶ問題で平易である。資料に3D画像が使われていることが特徴的である。問4は津波災害があった地域の地形図の読図で、津波は標高の低い沿岸部で被害が大きくなることに留意すれば平易である。

第4問 (12点満点)

配点 出題内容 難易度
12 世界の生活文化 標準

世界の生活文化に関する問題である。問1は永久凍土が分布する地域、豪雪地帯、熱帯の水上家屋の見られる地域の気候の特徴を判定する平易な問題である。問2は日本とブラジル、ベトナムとの交流に関する組合せ問題で、資料1の統計の判定にやや戸惑うかもしれない。問3は上映された映画を通して、いくつかの国における言語などの文化に関する知識が問われている。問4はアメリカ合衆国、ケニア、シンガポールにおける携帯電話の普及についての平易な資料判定問題である。

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