英語(リーディング)

総評と分析

大問数がセンター試験時代から続いてきた6題構成から8題構成へと変化した。また第4問、第8問では新形式の出題があった。本文・ワークシート・設問文等を合わせた総語数は昨年の英語(リーディング)から約600語減少し、約5600語であった。


パンフレット・ブログ等の日常的題材や、物語文、説明文といった例年通りの内容に加えて、第4問では英作文の添削、第8問では複数の意見や資料の情報整理という設定の新形式の出題があった。新形式の問題は2022試作問題で出題されたものと類似の形式であった。

問題分析

大問数 8
設問数 33
解答数 44

問題量

  • 昨年の英語(リーディング)と比較して、大問数は8で増加したが、いずれの大問もA・Bの分割での出題がなくなったことで中設問単位では2題減少し、設問数でも昨年の39問から33問へと6問減少した。語数としては全体で昨年から約600語減少し、約5600語であった。

出題分野・出題内容

  • 第4問では英作文の添削、第8問では意見や資料情報の整理という設定の問題が出題された。
  • 第1問、第2問、第3問、第5問ではパンフレット・ブログ・イベント計画のためのやりとり等の日常的題材が出題された。
  • 第6問、第7問では物語文、説明文が出題された。

出題形式

  • 4つの選択肢から適当なものを1つ選ぶ4択式の設問が中心であるが、選択肢を時系列順に並べ替える設問、当てはまる選択肢を複数選ぶ設問なども出題された。

難易度(全体)

  • 全体の大問数は増加したものの、大問ごとでのAとBの分割がなくなったことで設問数としては減少し、総語数としても昨年から600語程度減少した。また第4問、第8問の新形式の出題も、2022試作問題と同様の形式であったため取り組みやすかったのではないか。よって全体として易化したと考えられる。

第1問 (6点満点)

配点 出題内容 難易度
6 パンフレット(287語) やや易

「水槽のレイアウト」についてのパンフレットを題材にした問題で、設問数は3問である。昨年はAとBに分かれていたが、今年はそのような区分がなくなった。問3では、昨年の第3問A問1のようなイラストを選択する問題が出題された。英文の内容は比較的平易で分量も少ないが、3つのステップを横断的に読む必要のある設問が含まれていた。

第2問 (12点満点)

配点 出題内容 難易度
12 ブログ(410語) やや易

「空飛ぶ車」についてのブログを題材にした問題であった。設問数は4問であった。昨年までのAとBに分かれた構成から今年は1題のみの出題となった。昨年と同様に本文中の意見に関して問う問題が出題されており、事実と区別した上で意見と判断できる選択肢を選ぶ必要があった。英文は平易で、全体的には解きやすい問題だったと言える。

第3問 (9点満点)

配点 出題内容 難易度
9 物語文(403語) 標準

「コンテストに出場するバンド」の物語が題材であった。昨年はAとBの2題が存在したが、Bに相当する設問数3問の英文のみになった。出来事を時系列に並べ替える問題は昨年も出題されていたが、新たにダミーの選択肢が1つ追加された。また登場人物の整理や心情を問う設問も出題されたが、比較的述べられている内容がそのまま解答に結び付きやすく、解きやすかった。

第4問 (12点満点)

配点 出題内容 難易度
12 生徒のエッセイの添削(505語) 標準

「スローライフのすすめ」をテーマにしたエッセイが題材であった。2022試作問題の第B問と同様の出題形式で、先生のコメントが入った生徒のエッセイを添削するという設定の問題である。分量は比較的短く、読みやすい内容となっている。どの問いも問われている箇所の前後の文を参照すれば解けるので、難易度は決して高くない。文と文の関係性を意識しながら英文を正確に読み解く練習を積んで臨むことが重要である。

第5問 (16点満点)

配点 出題内容 難易度
16 Eメール(858語) 標準

2通のEメールを題材とした問題。昨年までの記事とアンケートを踏まえて資料を完成させる問題とは形式が異なる。イベントの実施要項について相談する大学生のEメールと教授からの返信という形で構成されており、1通目のEメールには表が含まれている。設問数は5問で、問4は英文の内容に合った図を選択する問題であった。英文自体は比較的平易だが、解答には2通のEメールを往復しながら情報を整理する必要がある。

第6問 (12点満点)

配点 出題内容 難易度
12 物語文(955語) やや難

昨年度の第5問に近い形式の大問で、友人の書いた「真のヒーロー」をテーマとした物語が題材となっている。内容の一致を問う設問や、物語中の出来事を時系列に並べ替える設問が従来通り出題された。問4は、本文を読んだ上でその物語に対する改善案を提示するという、新しい傾向の設問であった。本文中で言及されていない事項を述べた選択肢を選ぶことが求められている。

第7問 (16点満点)

配点 出題内容 難易度
16 説明文(927語) 標準

「動物の睡眠パターン」についての英文が題材。昨年までの第6問Aと同様、ワークシートの空所を埋める形式で、英文の分量や難易度も昨年と同程度。問1や問3のように本文と選択肢を慎重に照らし合わせる必要がある設問も含まれるが、本文の流れに沿って設問が設けられているため該当箇所を見つけやすく、解答しやすい構成となっている。

第8問 (17点満点)

配点 出題内容 難易度
17 複数意見・資料(1252語) 標準

2022試作問題で第A問に相当する問題が本試験では第8問として出題された。「宇宙探査」を題材として、その是非に関するエッセイを書くための順序に沿って問題が出題される形式であった。設問数は5問であった。いずれの設問も解答根拠が明白で、紛らわしい選択肢も少なく解きやすかった。だが情報が多岐にわたるため限られた時間内で解き切ることを考えると標準的な難易度であると言える。

平均点(過去5年分)

年度 2024年度 2023年度 2022年度 2021年度 2020年度
平均点 51.54点 53.81点 61.8点 58.08点 116.31点
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