英語(リスニング)

総評と分析

昨年の英語(リスニング)と同様、第3問から第6問は1回読みの出題であり、またイギリス英語などの読み上げも含まれた。


全体の大問構成や読み上げの方式は昨年とほぼ同様であったが、第5問は2022試作問題で出題されたものと類似の形式に変更された。

問題分析

大問数 6
設問数 37
解答数 37

問題量

  • スクリプトの総語数は昨年の英語(リスニング)から約100語増加し、約1600語であった。設問および選択肢等の総語数は、昨年の英語(リスニング)とほぼ同じで約700語であった。

出題分野・出題内容

  • 第1問~第3問では短文や日常会話といった比較的平易な内容が出題された。第4問~第6問では長めのモノローグや講義、対話・会話等が出題された。
  • 一部の問題で、イギリス英語による音声や英語を母語としない話者による音声が含まれていた。

出題形式

  • 昨年の英語(リスニング)と同様に4択問題が中心であるが、ワークシートを埋める問題や、3人の話者のうち特定の意見をもつ人物の人数を答える問題なども出題された。

難易度(全体)

  • 全体の問題構成は昨年とほぼ同様であり、音声も昨年に続いて聞き取りやすかった。設問も全体的に易しめの出題が多かった。よって、全体として昨年と同程度の難易度と思われる。

第1問 (28点満点)

配点 出題内容 難易度
A 16 短文(スクリプト54語/設問122語)(2回読み) やや易
B 12 短文(スクリプト64語/設問0語)(2回読み) やや易

A・Bともに昨年と同様の形式で、Bの設問数が1題増加した。Aは1~2文の英文を聞き、その内容に最も近い英文の選択肢を選ぶ問題が4問、Bは2文の英文を聞き、その内容に最も近いイラストを選ぶ問題が4問出題された。Bは4種類のイラストの差異が明確で、放送される内容が推測しやすいが、問8に関しては箱の大きさに関する直接的な表現がなく、文脈から判断する必要があった。

第2問 (12点満点)

配点 出題内容 難易度
12 短い対話(スクリプト106語/設問8語)(2回読み) やや易

2人の人物の対話を聞き、その内容に合致するイラストを選ぶ問題。昨年と同様の問題形式だが、設問数は4問から3問に減少している。音声は明瞭で聞き取りやすく、また本文に対して問われている内容が比較的ストレートに表現されているため取り組みやすい。ただし問10では、値段に関する情報が音声では間接的に表現されていたため、思考力が問われた。

第3問 (18点満点)

配点 出題内容 難易度
18 短い対話(スクリプト304語/設問135語)(1回読み) 標準

短い対話を聞き、問題冊子に書かれた設問の答えとして最も適切なものを選ぶ問題。昨年と同様の問題形式で、設問数も変わらず6問であった。問15と問17はイギリス英語話者による発話であったと思われる。問15は、具体的な時刻への言及の中に紛れているday after tomorrowという表現を聞き取った上で、それをIn two daysという表現に変換して考える必要があり、やや注意を要する設問であった。

第4問 (12点満点)

配点 出題内容 難易度
A 8 モノローグ(スクリプト166語/設問63語)(1回読み) やや易
B 4 複数人による発話(スクリプト181語/設問30語)(1回読み) 標準

昨年同様、Aはモノローグを聞いて設問に答える形式。問18~21は昨年のイラストを並べ替える形式から一昨年のグラフを用いた形式に戻った。折れ線グラフを読み取る問題だが、具体的な数値の計算は不要で解きやすい。問22~25は天気予報の表を完成させる問題で、選択肢の多くが音声では言い換えられていた。Bは4人の話者の説明を聞き、サーフィンをする海を決める問題。4人の中にはイギリス英語の話者が含まれていた。

第5問 (16点満点)

配点 出題内容 難易度
16 講義(スクリプト371語/設問186語)(1回読み) 標準

「もらったプレゼントを他の人にあげること」についての講義が題材となっている。講義の概要をまとめたワークシートの空所を埋める問題のほか、講義の内容と2人の人物の発言が一致しているかを判断する問題、図表および講義を元にした会話の内容と一致する英文を選ぶ問題が出題された。2022試作問題Cと同じ構成で、問32と問33の形式が昨年と異なるものの、パラグラフごとに内容を把握できれば解答できる設問が多い。

第6問 (14点満点)

配点 出題内容 難易度
A 6 対話(スクリプト171語/設問65語)(1回読み) 標準
B 8 会話(スクリプト209語/設問57語)(1回読み) 標準

Aは「食事のとり方」に関する2人の対話、Bは「鳥のえさを与えること」についての3人の会話が題材で、設問数は昨年同様、各2問であった。Aは、話者の意見に合致する選択肢を選ぶ設問と、会話の中で登場人物が決心したことを問う設問であった。話の展開は把握しやすかったと思われる。Bの設問形式は昨年から変化がなかったものの、昨年より話者が1人減り、2022年本試の人数を問う形式に戻った。A・Bともに音声のスピードはそれほど速くない。

平均点(過去5年分)

年度 2024年度 2023年度 2022年度 2021年度 2020年度
平均点 67.24点 62.35点 59.45点 56.16点 28.78点
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