歴史総合,日本史探究
総評と分析
昨年の共通テストと比較して、思考力・判断力を測る問題が多い傾向は変わらず、知識に基づいた丁寧な読解が求められる。
歴史総合の範囲では平成時代の地震、日本史探究では平成時代の政治が扱われ、平成史に関する理解が求められた。出題形式では、任意に選んだ出来事とそれに対応する文を組み合わせる連動型の問題が見られた。
問題分析
| 大問数 | 6 |
|---|---|
| 設問数 | 33 |
| 解答数 | 34 |
問題量
- 連動型問題の影響で解答数は1問増えたが、分量的には昨年と変化はなく、読み取り問題の多さも相まって解答に時間を要する。
出題分野・出題内容
- 出題分野は、第1問は歴史総合、第2問以降はそれぞれ日本の通史・古代・中世・近世・近現代史であった。
- 出題内容は、政治史、外交史、社会・経済史、文化史が、満遍なく出題された。
- 第1問は19~20世紀についての出題が中心であった。また、災害の歴史をテーマとし、チョルノービリ(チェルノブイリ)原子力発電所事故や、阪神・淡路大震災や東日本大震災といった地震が扱われた。
- 第6問は近現代の日本における政治的リーダーシップをテーマとし、風刺画が掲載され、また1990年代の政治が扱われた。
出題形式
- 任意に選んだ出来事と適切な文を組み合わせる、連動型問題が初めて出題された。
- 図版の掲載数は昨年から増え、それらの読み取りを重視する傾向が強まった。
- 史料は昨年と同様に、現代語訳されたものの掲載が中心であった。
難易度(全体)
- 昨年と比較してやや易化した。歴史総合ではやや細かい知識が求められる問いもあった。一方、日本史探究では受験生が苦手とする年代整序問題の出題が減少し、求められる知識も標準的なものが多かった。受験生の学習効果が反映されやすい問題だったといえるだろう。
第1問 (25点満点)
| 配点 | 出題内容 | 難易度 | |
|---|---|---|---|
| A | 15 | 災害の要因と開発との関係 | やや難 |
| B | 10 | 災害への対応、災害後の社会 | 標準 |
「災害の歴史」をテーマとし、19~20世紀を中心とする世界各地の動向に触れた出題。問1は複雑な図である上、「コロンブス」「大西洋三角貿易」など歴史総合でも早い18世紀以前の用語が登場した。前後関係を論理的に考えることとあわせて慎重に解きたい。問3(2)は特にメモ1の判断に時間を要するだろう。問6のX・YはXが排日移民法を指すが、Yを確実に消去できることが重要。問7では阪神・淡路大震災と東日本大震災が出題された。X・Yは一見どちらも正文らしいため、Xが誤文と判断する読解力・注意力が必要である。
第2問 (15点満点)
| 配点 | 出題内容 | 難易度 | |
|---|---|---|---|
| 15 | 漁業の歴史 | 標準 | |
日本の漁業の歴史をテーマとし、主に原始・鎌倉時代・江戸時代の社会・経済についての出題が見られた。問2は図1から陸にいる網子が網を引いている様子、ノート1から網子の賃金の算出の仕方を読み取ることがポイント。問3は丸木舟が縄文時代から見られるものであることに注意。問4は鎌倉時代の荘園に関する資料であることを念頭において考えたい。空欄エはこの時期に荘園侵略を進めた地頭を想起し、「公物分」と「預所得分」については、荘園の構造を思い浮かべ、前者は荘園領主、後者は荘官の取り分であると判断したい。
第3問 (15点満点)
| 配点 | 出題内容 | 難易度 | |
|---|---|---|---|
| A | 9 | 古代の政変 | 標準 |
| B | 6 | 『伴大納言絵巻』と関連資料 | 標準 |
『伴大納言絵巻』を題材にした出題。古代の政治・文化に関する出題が見られた。問1のアの図や表中の情報から判断する問題は正解の根拠がわかりにくかったと思われる。問2は藤原良房の事績を想起する。問3は連動型問題。「あ」は乙巳の変、「い」は平城太上天皇の変に関する出来事。両者のうちより自信のあるものを選べばよいだろう。問4は絵巻物の成立した時期などをわかっておく必要がある上、解答への道筋がやや複雑。問5の「あ」は『古事記』『日本書紀』の成立した時期とそれに関する政治的背景を考える必要があった。
第4問 (15点満点)
| 配点 | 出題内容 | 難易度 | |
|---|---|---|---|
| A | 6 | 北条政子と日野富子の評価 | 標準 |
| B | 9 | 八条院について | やや難 |
「中世における女性と政治」をテーマにした出題。主に中世の政治・経済・文化に関する出題が見られた。問2の「い」は資料ならびにノートの記述から応仁の乱と永享の乱の起こった時期を想起できたか。問3のアは領域型荘園に関する知識を想起する必要があった。イは以仁王の平氏追討の令旨を想起すれば「協調」とはならないことがわかる。問4の「あ」は「国司が知行国主として」の部分を誤りと判断する必要があり、やや細かい。問5の①②はそれぞれ儒教伝来、武断政治、③はノートなどから判断し、消去法的に判断するのがよい。
第5問 (15点満点)
| 配点 | 出題内容 | 難易度 | |
|---|---|---|---|
| 15 | 近世の城郭 | 標準 | |
「近世の城郭」をテーマにした出題。主に、近世の政治・社会・文化に関する出題が見られた。問1の①は、豊臣政権の兵農分離政策により武士は城下町への集住が強制されたことを想起したい。問3の資料は、領主(大名)を「ぬし」と表現していることなどをヒントにしたい。問4の「う」は、武家地が城の周囲に設置されたことをわかっている必要があった。問5の①は、朝鮮式山城は白村江の戦いに敗戦したことにより朝鮮半島方面からの攻撃に備えて築かれたことから判断できる。
第6問 (15点満点)
| 配点 | 出題内容 | 難易度 | |
|---|---|---|---|
| 15 | 近現代の政治的リーダーシップ | 標準 | |
近現代の日本における政治的リーダーシップをテーマに、政治・外交に関する出題が見られた。問1では、平成時代初期の国内政治の内容が問われた。「あ」は55年体制崩壊より後の村山富市内閣でのことであるため、誤り。問4の「あ」は、原敬が軍人でなく文官であることから正しいと判断したい。また「い」の軍部大臣現役武官制改正は、第1次山本権兵衛内閣ですでに行われており、「新例」にはあたらない。問5の③は、台湾銀行を救済する緊急勅令案に枢密院が反対したことで総辞職した第1次若槻礼次郎内閣を指しており、正文である。
平均点(過去5年分)
| 年度 | 2025年度 | 2024年度 | 2023年度 | 2022年度 | 2021年度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 平均点 | 56.99点 | - | - | - | - |

