化学基礎
総評と分析
昨年の共通テストと比較して、基本的な内容の問題が増加し、基礎が身についていれば高得点を狙える出題であった。
第1問は、問10の実験結果からの濃度範囲の考察がやや難しかったが、他は基本的な内容であった。第2問は肥料を題材とした出題で、多くは基本的な内容であったが、問2aは混合物の質量変化を見落としやすく、やや難しかった。
問題分析
| 大問数 | 2 |
|---|---|
| 設問数 | 13 |
| 解答数 | 16 |
問題量
- 考察が必要な問題が少なくなったため文章量はやや減少したものの、図表を用いる設問が増加したため、その読み取りに時間を要しやすい。計算問題にもやや手間のかかる設問があった。全体的に見れば問題量は昨年並みであった。
出題分野・出題内容
- 第1問は、化学基礎の各分野から知識ならびに計算処理を問う小問が出題され、第2問は、肥料を題材とした総合問題が出題された。
- 第1問は、教科書レベルの基本知識が中心であり、問7の固体の溶解度は中学理科からの出題であった。一方、問10の濃度範囲の計算は表の意味が理解できないと解きにくい。
- 第2問は、総合問題だが実質的には小問集合形式であった。ただし、問2aの元素含有率の変化は、比率を変えると混合物の質量が変化することに注意が必要であった。
出題形式
- 第1問の問7、第2問の問3bではグラフの読み取り、第1問の問10では実験結果からの考察が必要だった。一方、解答の数値自体を答えさせる問題は出題されず、方眼紙も与えられなかった。また、昨年見られた5択の正誤問題は出題されなかった。
難易度(全体)
- 昨年よりもやや易化。第1問は例年どおり小問集合形式で、ほとんどが基本的であるが、問10の塩酸の濃度範囲を求める問題はやや考察的。第2問は肥料に関する総合問題で、問2aのリン酸塩の混合物の混合比からNとPの含有率の変化を考察する問題、問3bのグラフからカルシウムシアナミドの含有率を求める問題はやや難しい。
第1問 (30点満点)
| 配点 | 出題内容 | 難易度 | |
|---|---|---|---|
| 問1 | 3 | 電子配置 | 易 |
| 問2 | 3 | 同位体 | 易 |
| 問3 | 3 | 質量パーセント | 標準 |
| 問4 | 3 | 酸化数 | 易 |
| 問5 | 3 | 物質の性質 | やや易 |
| 問6 | 3 | 分子の極性 | やや易 |
| 問7 | 3 | 固体の溶解度 | 標準 |
| 問8 | 3 | 蒸留装置 | やや易 |
| 問9 | 3 | 弱酸の電離度 | 標準 |
| 問10 | 3 | 塩酸の濃度範囲 | やや難 |
問1の電子配置、問2の同位体に関する問題はいずれも平易。問3の質量パーセントを求める問題は確実な計算が必要。問4は典型的な酸化数の問題。問5は物質の性質に関する問題で、基本的な知識があれば解ける。問6は分子の極性に関する基本問題。問7は水の質量が200gであることに気づけば解ける。問8のリービッヒ冷却器の冷却水を流す方向を問うものはよく出るところ。問9の電離度の問題は、pHを水素イオン濃度に直せれば解ける。問10の塩酸の濃度範囲を求める問題は、すべて溶けたときと溶け残ったときの炭酸カルシウムの質量から求める。
第2問 (20点満点)
| 配点 | 出題内容 | 難易度 | |
|---|---|---|---|
| 問1 | 6 | アルカリ土類金属、酸・塩基の強弱 | やや易 |
| 問2 | 7 | リン酸塩の混合物、塩の判別 | やや難 |
| 問3 | 7 | 酸化還元反応、グラフの考察 | やや難 |
肥料をテーマとした総合問題の形式を取っているが、実質的には小問集合である。問1aはアルカリ土類金属に関する問題で基本的な知識があれば解ける。問1bは酸と塩基の強弱を答える問題で非常に基本的。問2aはリン酸水素アンモニウムとリン酸二水素アンモニウムの混合物の混合比率とNとPの質量パーセントの関係を考察する問題で、やや難しい。問2bは塩の性質に関する知識問題。問3aは酸化還元反応を選ぶ問題で、単体を含むものは酸化還元反応であることに気づけば平易。問3bはグラフを読み取った後の計算処理を確実に行う必要がある。
平均点(過去5年分)
| 年度 | 2025年度 | 2024年度 | 2023年度 | 2022年度 | 2021年度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 平均点 | 27点 | 27.31点 | 29.42点 | 27.73点 | 24.65点 |

