地学

総評と分析

昨年の共通テストと比較して、設問数が1増加した。空欄補充問題が大幅に増え、やや細かい知識が必要な問題も増加した。


すべて4択問題で構成され、その大部分が2組の要素の組合せを答える問題だった。図表や数式を選択する問題以外は組合せ問題で、問題文の読解力がより求められ、必要な知識量も増加している。 

問題分析

大問数 5
設問数 28
解答数 28

問題量

  • 大問数は昨年と同じだが、設問数・解答数は昨年よりも1増加した。説明文や会話文を用いた空欄補充問題が全設問の半数を占め大幅に増加し、問題全体も3ページ増加した。ただし、短い思考時間で済む問題も多く、全体の問題量は時間に対して適量である。

出題分野・出題内容

  • 第1問は過去や未来の地球や宇宙に関する総合問題で、全分野から出題された。タイムマシンで過去や未来に行き、平安時代の陰陽寮の天文博士と会話したり、未来では人類が他の惑星に移り住んでいたりというユニークな設定であった。第2問は固体地球分野、第3問は地質・地史分野、第4問は大気・海洋分野、第5問は宇宙分野から出題された。
  • 長周期地震動、鉱床、人類の進化、活動銀河などやや細かい知識を問う問題が出題された。

出題形式

  • すべて4択問題であり、図表や数式を選択する問題以外は組合せ問題で、単独の正文選択・誤文選択の問題は出題されなかった。
  • 図表の読み取りを要する問題や計算問題の出題数は昨年とほぼ同じだった。

難易度(全体)

  • やや易化。空欄補充問題が大幅に増加して文章量が増加し、やや細かい知識の有無に出来が左右される問題が増加したが、得点しやすい平易な問題も多く見られた。

第1問 (18点満点)

配点 出題内容 難易度
18 地球・宇宙の過去や未来 やや難

タイムマシンを題材にした過去や未来の地球や宇宙に関する総合問題である。問1は古気候と示準化石の知識問題で、白亜紀が温暖であったことは覚えておかなければならない。問2は石英に放射性同位体が含まれないので、ジルコンを用いた放射性年代の測定法を答えればよい。問3は最終氷期の地殻の最下面より上にある重さが最終氷期と現在で等しいことを立式する。問4は超新星についての基本的な知識問題で、問5は地球と自転が逆向きの惑星では転向力(コリオリの力)も逆向きなので、風も環流も地球と逆向きの図を選べばよい。

第2問 (15点満点)

配点 出題内容 難易度
3 水準測量とGNSS
4 長周期地震動の性質 やや難
8 ホットスポットとプレートの運動と古地磁気 やや易

Aの問1は測量に関する知識問題で、水準点の測量からは土地の上下方向の動きを調べることができる。Bの問2の長周期地震動の知識はやや細かい知識だが空欄前後の文脈から考察可能で、地震災害のニュースなどでもよく扱われる内容である。Cの問3のプレートの移動速度は地球の大きさと2000万年間に移動した緯度差から計算でき、問4は火成岩ができるホットスポットの位置が北緯30°に固定されているので地磁気の伏角も49°で一定である。

第3問 (28点満点)

配点 出題内容 難易度
7 鉱床の成因とマグマの発生 やや難
7 ルートマップ上の露頭と級化構造(級化層理) 標準
7 AIによる火山灰の画像分析、火山の噴火様式 やや易
7 人類の進化と日本列島 標準

Aの問1の正マグマ鉱床の鉱物はやや細かい知識だが、金や銀などが花こう岩質マグマの残液に濃集することを知っていれば消去法で正答できる。問2は図2の圧力を読み取って鉱物Bができるとわかる。Bの問3は走向線から境界面が東に傾斜していることを読み取る。問4は級化構造(級化層理)の知識問題である。Cの問5は輝石と角閃石の劈開が交わる角度、問6は有珠山の噴火様式と火山地形が問われた。Dの問7のホモ・サピエンス以前の石器や火の使用はやや細かい知識である。問8は新第三紀についての文を除外すればよい。

第4問 (21点満点)

配点 出題内容 難易度
13 大気の構造、都市気候、南半球の低気圧、海陸風 やや易
8 黒潮と海面高度

Aの問1は地球の大気圏で最も気温が低い中間圏界面の上にある熱圏について答えればよい。問2は都市の相対湿度を低下させるような語を選べばよい。問3は南半球であることと対流圏上層で中心から吹き出す風であることに注意する。問4は海陸風についての基本的な知識問題である。Bの問5の海面高度は標高と同様にジオイドを基準としており、地衡流は海面高度差が生む圧力傾度力で生じる。問6は地衡流にはたらく力のつり合いによって、黒潮のような海流は環流の内側ほど海面が高くなっていることが問われた。

第5問 (18点満点)

配点 出題内容 難易度
11 セイファート銀河中心部の星間塵吸収 やや難
7 HR図と恒星の進化 標準

Aの問1ではセイファート銀河の多くが渦巻き銀河であることを覚えておく必要がある。問2はかんらん石に含まれるのはMgとFeなので図からFeの質量比を読み取る。問3は100倍の明るさで5等級小さくなるので10分の1の明るさでは2.5等級大きくなり、可視光線での星間塵吸収で生じる等級差がその20倍なので、明るさは10の20乗分の1倍になることを計算する。Bの問4は主系列星の光度は質量の4乗に比例するので、寿命は質量の3乗に反比例することを用いる。問5は恒星の進化についての基本問題である。

平均点(過去5年分)

年度 2025年度 2024年度 2023年度 2022年度 2021年度
平均点 41.64点 56.62点 49.85点 52.72点 46.65点
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