情報Ⅰ
総評と分析
昨年よりも難化。知識を問う問題もあったが安直な一問一答的な知識ではなく、対象の内容の理解を求めるものになっていた。情報を与えてその場で考えさせる問題が多く、実践的な学力を重視しようとする傾向が鮮明にみられた。
昨年よりも分量が増え、粘り強く思考する必要もあったため、全体の傾向として昨年より難しくなった。特に第2問Bで時間をかけすぎると時間内に解き終わらなかった可能性がある。またプログラミングは、実際に自分でコーディングをした経験がないとてこずったかもしれない。
問題分析
| 大問数 | 4 |
|---|---|
| 設問数 | 22 |
| 解答数 | 48 |
問題量
- 昨年と比べてやや増加。昨年と同じペースで問題に臨んだ受験生は時間内に解き終えることができなかったかもしれない。
出題分野・出題内容
- 第1問の問2は16進法が問われ、早速新仕様のマークシートに合わせた出題となった。問3では中央値や最頻値などの各統計量の意味について、単に定義を覚えるだけではなく、一段深い理解が求められる問題になっていた。
- 第2問Aは情報システム分野から、住基ネット(マイナンバー)を題材とした問題が出題された。Bは画像の合成を題材に、論理演算について問われた。図の数も多く、忍耐強く解いていく必要があったため、ここに時間を取られた受験生も多かったのではないか。
- 第3問はシミュレーションとプログラミングを融合させた出題となった。待ち行列は試作問題でも出題されており、復習していた受験生にとってはとりかかりやすかったかもしれない。ただ、後半では本格的なプログラムの修正が問われ、これは実際にコーディングをした経験がないと苦労したかもしれない。
- 第4問は桜の開花予測を題材としたデータ活用の問題で、標準的な難易度。ここはしっかりと得点したい。
出題形式
- 第1問や第2問で知識を問うような問題も出題されたが、知識をそのまま聞くタイプの問いではなく、例えば、第1問の問4ではメール送信手順とドメイン構造についてそれぞれが何を指すのかを知っておく必要があった。
- 第2問Bでは「白」が"1"となっており、漫然と解くと混乱したかもしれない。ビットやバイトを計算させる問題は今年も出題がなかった。
- 本年もプログラミングについて、表記の例は掲載がなかった。プログラミングに自信が無い受験生は、あらかじめある程度習熟しておくことが望ましい。また、プログラムの実行回数を問う問題が昨年に続いて出題された。プログラムが動くように穴埋めできればよしとするだけではなく、どのように実行されるのかも把握する練習をするとよいだろう。
難易度(全体)
- 難化。社会や身近なテーマについて、問題文から場面を読み解き、必要な知識を活用して問題の発見・解決に向けて探究する活動の過程を題材として、いかに情報や情報技術を活用するかという思考力・判断力・表現力が要求された。また、複数の項目をどのように組み合わせるか等を段階的に思考する力が要求された。
第1問 (20点満点)
| 配点 | 出題内容 | 難易度 | |
|---|---|---|---|
| 20 | 記憶装置、情報セキュリティ、16進法、情報デザイン、ネットワーク | やや難 | |
問1aは主記憶装置と補助記憶装置の違いまできちんと理解していることが要求された。問1bは選択肢が2行にわたっており長かったが、問われている内容は平易だった。一方で、ソーシャルエンジニアリングやファイアウォールなどの用語を正確に理解している必要があった。問2は2進法に沿ってマスを埋める緻密な作業が要求され、さらに選択肢がなかったため、苦戦した受験生は多かっただろう。問3コは数学的な知識が要求された。問4aは、ドメイン名とメールサーバの働きについて、その順序をきちんと理解していることが要求された。
第2問 (30点満点)
| 配点 | 出題内容 | 難易度 | |
|---|---|---|---|
| A | 15 | 情報システム | 標準 |
| B | 15 | 論理演算 | 難 |
Aは、マイナンバーなどで使われているシステムについて、順々にシステムを改良する様子をトレースしつつ、改良前のシステムと比較することが要求された。問2の図3に穴埋めする問題は、時間的順序と内容の両方を組み合わせて答えを選ぶ必要があった。Bは、画像の重ね合わせをテーマに論理演算が問われたが、特に問4の難易度が高かった。一方で、問1や問3のように取り組みやすい問題もあったため、これらの問題でいかに得点できたかで差がついたと考えられる。なお、問3は2020年に公開された試作問題に類題があった。
第3問 (25点満点)
| 配点 | 出題内容 | 難易度 | |
|---|---|---|---|
| 25 | プログラミング | 標準 | |
全体の流れとして、シミュレーション分野の待ち行列の内容から始まり、その後易しいプログラミング、発展的なプログラミングという配置であった。そのため、25点満点中5点は、プログラミングとは関係のない問題であり、難易度を下げようという意図と考えられるが、この数値は昨年より小さくなった。プログラミングについては昨年と同様、本文で詳細な説明があり、その誘導にうまく乗ることができれば比較的容易に解けたと考えられる。また昨年と同様、実行回数を求めさせる問題が問3で出題された。
第4問 (25点満点)
| 配点 | 出題内容 | 難易度 | |
|---|---|---|---|
| 25 | データの活用 | 標準 | |
昨年と同様、前の図表から新たな指標を作って図表にまとめ、それを活用する実際の探究活動を踏まえて思考する問題が続いたため、慣れていないと難しく感じる受験生はいただろう。提示された指標の意味を適切に理解する必要があった。問3サは、箱ひげ図では中の分布は分からず、図2の横軸が0のところにデータがあるかは判断できないと分かる必要があった。数学Ⅰの該当分野が苦手な受験生は苦戦した可能性がある。問4は、散布図の読み方に習熟していたかで差がついたと考えられる。

