生物
総評と分析
昨年の共通テストと比較して図表の数が大幅に増加した。A・Bの中問分割がなくなり、各大問は学習指導要領の各分野を中心とした出題であった。
知識問題や実験考察、資料解析などの読解問題がバランスよく出題された。図表の数が大幅に増加したが、選択肢は数・質の両面で選びやすかった。各大問は学習指導要領の各分野から出題され、分野横断型の出題ではなかった。A・Bの中問分割がなくなり、全大問が同じ配点、同じ分量で出題された。
問題分析
| 大問数 | 5 |
|---|---|
| 設問数 | 17 |
| 解答数 | 25 |
問題量
- 昨年より6ページ増加して32ページとなったものの、解答数は昨年と同じであり、ページの余白部分が大きく、図表の数が大幅に増えたことによる変化であるため、分量的な負担は大きく変わらなかった。
出題分野・出題内容
- 昨年までとは異なり、第1問は「生物の進化」、第2問は「生命現象と物質」、第3問は「遺伝情報の発現と発生」、第4問は「生物の環境応答」、第5問は「生態と環境」のように、各大問は学習指導要領と同様の順番で、各分野を中心とした出題であった。
- 一部の大問では他の分野の知識を前提とする設問がみられたものの、大問全体を通して複数の分野を扱うような分野横断型の大問はみられなかった。
- 昨年までと同様に、実験や観察など未知の情報を読解、考察する問題が中心であり、単純な知識問題、知識を活用する問題、資料の読解、実験考察問題がバランスよく出題された。
- SNPの問題が、昨年から引き続き2年連続で出題された。
出題形式
- 昨年の第5問のような、A・Bの中問に分かれている大問がなくなった。
- 大問ごとの配点が5題とも20点に統一され、昨年までのような配点の偏りがなくなった。
- 組合せを選ぶ問題が減少した。
難易度(全体)
- 難易度は昨年と比べてやや易化。ページ数や図表の数は大幅に増加したが、余白部分が大きく、選択肢の数は減少した。
第1問 (20点満点)
| 配点 | 出題内容 | 難易度 | |
|---|---|---|---|
| 20 | 人類の進化 | 標準 | |
人類の進化や遺伝に関する知識問題と考察問題。問1は人類の進化に関する知識問題。問2(1)は遺伝子頻度と遺伝的浮動に関する問題。(2)はハーディ・ワインベルグの法則に関する計算問題。保因者は潜性の対立遺伝子をヘテロ接合で持つ。問3は制限酵素処理したDNA断片の電気泳動図を答える問題。問4はネアンデルタール人型SNPを持つヒトの人数から、SNP間の組換え頻度を推測する問題。現生ヒト型のMVDとネアンデルタール人型のLLGの間で組換えが起こったとき、どのようなアミノ酸の組合せになるかを考える。
第2問 (20点満点)
| 配点 | 出題内容 | 難易度 | |
|---|---|---|---|
| 20 | 細胞骨格・細胞内輸送 | 標準 | |
細胞骨格と細胞内輸送についての知識問題と実験考察問題。問1はアクチンフィラメントに関する筋収縮の仕組みを含めた知識問題。問2は微小管上のモータータンパク質の輸送速度に関する実験考察問題。実験条件Ⅱとその他の条件を比較する。問3は精子の鞭毛の屈曲運動に関して、(1)は細胞膜やATPとの関連を読み解く実験考察問題、(2)は微小管の構造と屈曲運動の関連についての実験考察問題。微小管は細胞膜に結合し細胞の形状を保つ。微小管が滑り出すことで細胞の形状が変化し、屈曲運動が起こる。
第3問 (20点満点)
| 配点 | 出題内容 | 難易度 | |
|---|---|---|---|
| 20 | ショウジョウバエの発生 | やや易 | |
ショウジョウバエの発生に関する考察問題。タンパク質Bはビコイドタンパク質、タンパク質Cはコーダルタンパク質である。問1はヘテロ接合体どうしの交配で発生した幼虫の表現型が問われた。母性因子であるため雌親の遺伝子型に依存する点に注意する。問2(1)は遺伝情報の発現の仕組みに関する知識問題。(2)はタンパク質の各部位の働きを、(3)はタンパク質B・タンパク質Cそれぞれの働きを考察する問題。問3はタンパク質Hの濃度のグラフとKmRNAの分布の図から、変異体ⅣのKmRNAの分布を予測する問題。
第4問 (20点満点)
| 配点 | 出題内容 | 難易度 | |
|---|---|---|---|
| 20 | 生物の環境応答 | 標準 | |
動物と植物の環境応答に関する知識問題と考察問題。問1は環境応答に関する知識問題。問2はエチレンによる植物細胞の肥大成長に関する実験考察問題。(1)は知識問題。(2)は、変異体において、外部からエチレンを与えても変化のないことから、エチレンの受容またはそれ以降の反応が阻害されていることが分かる。問3はガの聴覚に関する実験考察問題。音源が遠いと音が弱くなることが分かれば解きやすい。(2)の図5は閾値の図なので、グラフの値が小さいほどより遠くの音にも反応できるといえる。
第5問 (20点満点)
| 配点 | 出題内容 | 難易度 | |
|---|---|---|---|
| 20 | 生態と環境 | 標準 | |
マングローブを題材とした、生態系と植物の物質の取込みに関する知識問題と考察問題。問1は生態系と人間活動の関係に関する知識問題。問2は表のデータを読解する考察問題。問3は気根にある皮目からの気体の取込みに関する実験考察問題。問4は窒素固定に関する実験考察問題。選択肢の文章が結論とその根拠となる結果の説明になっている。グラフが複数あるが注目した部分が示されているので、文章に沿って参照し、結論と根拠の間の整合性も含めて吟味する。
平均点(過去5年分)
| 年度 | 2025年度 | 2024年度 | 2023年度 | 2022年度 | 2021年度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 平均点 | 52.21点 | 54.82点 | 48.46点 | 48.81点 | 72.64点 |

