生物基礎
総評と分析
昨年の共通テストと同様に知識の活用力や思考力が問われる問題が中心であったものの、昨年より知識で解ける問題が増加し、取り組みやすい考察問題が多かった。
教科書の基本的な知識や理解を基に、実験や資料の内容を読み取って考える問題が中心である点は昨年の共通テストから変わっていない。しかし、読み取りやすい資料が多く、選択肢の数も例年より少なかったため、時間をかけて解く必要のある考察問題は減少し、昨年よりやや知識重視の出題であった。
問題分析
| 大問数 | 3 |
|---|---|
| 設問数 | 15 |
| 解答数 | 16 |
問題量
- 昨年から2ページ減少して17ページになり、解答数も1個減少したため全体の分量としては昨年より若干減少した。しかし、ページの余白部分が少なく、図表の数が増加したため、読解量としての負担は大きく変わらなかった。
出題分野・出題内容
- 昨年までと同様、第1問は「生物の特徴」、第2問は「ヒトのからだの調節」、第3問は「生物の多様性と生態系」のように、各大問は学習指導要領の各分野を中心とした出題であった。
- 実験考察問題や資料解析問題の中にも知識で正誤判断ができる選択肢が含まれており、知識のみで正解を限定できる問題が随所にみられた。
- 第2問の問6で新型コロナウイルスのオミクロン株の資料が扱われた。
出題形式
- 全ての大問がA・Bの中問に分かれていた。
- 選択肢の数が減少した。
- 例年みられた「過不足なく含むもの」を選ぶ問題が、今年はみられなかった。
難易度(全体)
- 難易度は昨年と比べて易化。ページ数や選択肢数は減少し、読み取りやすい図表の数が増えた。また、基礎知識に基づく問題が多く、知識の活用が重視された。
第1問 (16点満点)
| 配点 | 出題内容 | 難易度 | |
|---|---|---|---|
| A | 10 | 細胞の構造・代謝 | 標準 |
| B | 6 | DNAの構造・複製 | 標準 |
A:細胞の特徴に関する知識問題と、菌類と共生した植物の代謝を調べた実験考察問題。問1は細胞の構造についての知識問題。問2はラン科の植物の光合成について、(1)は個体の色と細胞内における物質の合成・分解の関連を考察する問題、(2)は個体の色と炭素の獲得・利用の関連を考察する問題。白色個体は葉緑体を持たず、光合成を行っていない。B:遺伝情報とDNAに関する知識・計算問題。問3はDNAの構造についての知識問題。問4はDNAの半保存的複製の知識を基に、鋳型鎖と新生鎖の数を文字式で表す問題。
第2問 (18点満点)
| 配点 | 出題内容 | 難易度 | |
|---|---|---|---|
| A | 9 | 恒常性 | やや易 |
| B | 9 | 免疫 | やや易 |
A:恒常性に関する知識問題と、ヒトの体温変化を調べた実験考察問題。問1は自律神経系と内分泌系に関する知識問題。問2は体内の塩類濃度調節に関する問題。「発汗によって体内の水分が失われる」ので、バソプレシンにより水の再吸収が促進される。問3は気温や運動と発汗量・深部体温の関連を考察する問題。B:免疫に関する知識問題と、新型コロナウイルス感染症に関する考察問題。問4・問5はそれぞれ自然免疫と獲得免疫に関する知識問題。問6は新型コロナワクチン接種回数ごとの患者数に関するグラフを基にした考察問題。
第3問 (16点満点)
| 配点 | 出題内容 | 難易度 | |
|---|---|---|---|
| A | 9 | 遷移と垂直分布 | 標準 |
| B | 7 | 生態系のバランス | 標準 |
A:富士山の植生を題材とした問題。問1・問3はそれぞれ遷移と森林限界に関する知識問題。問2は図表を読解する考察問題。種Mと種Tの分布は、低地での競争と高地の乾燥への適応で決まる。B:外来生物による生態系への影響を考察する問題。問4は絶滅に関する知識問題。問5は在来生物と外来生物の関係を実験した考察問題。魚類Cがツチガエルの捕食者であるウシガエルを捕食することによる間接効果を考慮する。
平均点(過去5年分)
| 年度 | 2025年度 | 2024年度 | 2023年度 | 2022年度 | 2021年度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 平均点 | 31.39点 | 31.57点 | 24.66点 | 23.9点 | 29.17点 |

